薬剤師の転職、履歴書の「正社員」経歴の正しい書き方とアピール術
薬剤師としてのあなたのキャリアを客観的に証明する、履歴書の「職歴」欄。特に、正社員としての勤務経験は、採用担当者があなたのスキル、経験、そして安定性を判断する上で最も注目する重要な情報です。この欄を正確に、かつ分かりやすく記載することが、ご自身の能力を正しく評価してもらうための最初のステップとなります。この記事では、薬剤師の転職活動における、正社員経歴の正しい書き方と、あなたの魅力を最大限に伝えるためのポイントを詳しく解説します。
職歴欄の基本的な書き方と3つのルール
まず、職歴を書き始める前に、社会人としての基本マナーである3つのルールを確認しましょう。第一に、勤務先の会社名や法人名は、「株式会社」や「医療法人社団」なども含めて、一切省略せずに必ず「正式名称」で記載します。第二に、経歴は古いものから順に「時系列」で記載します。そして第三に、履歴書全体で日付の表記を「西暦」か「和暦」のどちらかに必ず「統一」することです。これらの基本を守るだけで、丁寧で信頼できる人物であるという印象を与えることができます。
薬剤師としての経験を効果的に伝える補足情報
職歴欄は、単に入社と退職の事実を時系列で並べるだけでは、あなたの本当の価値を伝えることはできません。特に専門職である薬剤師の場合は、どのような環境で、どのような業務に携わってきたのかを簡潔に補足することが、非常に効果的なアピールに繋がります。
まず、「〇〇薬局に配属」や「〇〇病院 薬剤部に配属」といったように、実際に勤務していた場所を具体的に記載しましょう。その上で、「内科・小児科の処方箋を中心に調剤、服薬指導に従事」や「がん化学療法における混合調製業務および副作用モニタリングを担当」といったように、担当していた業務内容を一行添えるだけで、採用担当者はあなたのスキルや経験値を具体的にイメージすることができます。また、「管理薬剤師に就任」といった役職や昇進の経歴も、あなたの実績を示す重要な情報ですので、忘れずに記載してください。
正社員経歴の具体的な記入例
ここでは、すでに退職している場合と、現在も在職中である場合の二つのパターンで、具体的な記入例をご紹介します。
すでに退職している場合の記入例
職歴
令和2年 4月 株式会社〇〇メディカル 入社
〇〇駅前薬局に配属
総合病院の処方箋を中心に、調剤業務・服薬指導に従事
令和7年 9月 一身上の都合により退職
現在も在職中の場合の記入例
職歴
平成30年 4月 医療法人△△会 △△総合病院 入職
薬剤部にて、病棟薬剤業務およびDI業務を担当
現在に至る
すべての職歴を書き終えたら、その一行下の右端に「以上」と記載して締めくくります。
正社員以外の雇用形態との書き分け
職歴の中にアルバイトやパート、派遣社員としての経験が含まれる場合は、正社員の経歴と明確に区別できるように、雇用形態を書き添えるのがマナーです。正社員の経歴については、特に「(正社員)」と記載する必要はありません。何も書かれていなければ、採用担当者は正社員として認識します。一方で、アルバイトなどの場合は、「株式会社〇〇 入社(アルバイトとして)」のように、括弧書きで補足しましょう。これにより、経歴の全体像がより分かりやすくなります。