薬剤師の履歴書、「短所」の書き方で誠実さをアピールする方法【例文付き】
履歴書の「長所・短所」の欄を記入する際、誰もが最も頭を悩ませるのが「短所」の書き方ではないでしょうか。「正直に書きすぎると、マイナスの評価を受けてしまうのではないか」「かといって、嘘をつくわけにもいかない」と、なかなか筆が進まない方も多いはずです。しかし、この「短所」の欄は、あなたの誠実さや客観性、そして成長意欲を示すための絶好のアピールの機会となり得ます。この記事では、薬剤師の転職活動において、短所をポジティブな印象に変えるための賢い書き方のコツを、具体的な例文とともに解説します。
採用担当者は「短所」から何を見ているか
まず理解しておきたいのは、採用担当者はあなたの欠点や弱点そのものを探しているわけではない、ということです。この項目を通して、採用担当者は主に以下の点を見ています。
一つ目は、「自己分析能力」です。あなた自身を客観的に理解し、自分の弱みを的確に認識できているかを見ています。二つ目は、「誠実さ」です。自分の弱みと正直に向き合い、それを隠さずに伝えられる人物かどうかを判断しています。そして最も重要なのが、「改善意欲と成長性」です。認識した弱みをそのままにせず、それを克服・改善しようと前向きに努力している姿勢があるかを見ています。「短所はありません」という回答は、自己分析ができていない、あるいは謙虚さに欠けると見なされるため、絶対に避けましょう。
薬剤師として記載を避けるべき「NGな短所」
短所を正直に伝えることは大切ですが、薬剤師という職業の特性上、その信頼性を根本から揺るがしてしまうような内容は、たとえ事実であっても記載すべきではありません。例えば、「大雑把で、ケアレスミスが多い」「時間にルーズで、責任感がない」「協調性がなく、人の意見を聞かない」といった内容は、患者様の命と健康を預かる専門職として、致命的な欠点と見なされてしまいます。
短所を長所に言い換える「リフレーミング」の技術
好印象に繋がる短所を選ぶコツは、見方を変えれば長所とも言える側面を持つものを選ぶことです。例えば、「心配性」や「考えすぎてしまう」という短所は、裏を返せば「慎重で、丁寧な仕事をする」「責任感が強い」という長所に繋がります。「頑固で、こだわりが強い」という短所は、「意志が強く、探求心がある」という長所の表れかもしれません。このように、ご自身の短所をポジティブな言葉に言い換えてみましょう。
「短所」と「改善努力」をセットで伝える書き方と例文
履歴書に短所を記載する上で最も重要なのは、「短所を自覚している」ことと、「それを克服・改善するために、具体的にどのような努力をしているのか」という前向きな姿勢をセットで示すことです。
「慎重すぎる」を伝える例文
「私の短所は、物事を慎重に進めようとするあまり、時に判断に時間がかかってしまう点です。この点を改善するため、業務に取り組む際は、まず全体の優先順位と時間配分を明確にすることを意識しております。緊急性が高いと判断した場合は、迅速に行動することを心がけ、慎重さとスピード感のバランスを取るよう努めております。」
「こだわりが強い」を伝える例文
「一度決めたことに対して、より良い結果を求めてこだわりが強くなる傾向があります。自分の考えだけに固執しないよう、チームで業務を進める際は、まず同僚や先輩薬剤師の意見に積極的に耳を傾け、多角的な視点を取り入れることを常に意識しております。」