食品メーカーで活きる薬剤師の専門性、その「仕事内容」とは

薬剤師の新たなキャリアと「食」の分野

薬剤師の皆様の活躍の場は、調剤薬局や病院といった臨床現場だけに留まりません。近年、国民の健康意識の高まりと共に、食品が持つ機能性や安全性への関心が非常に高まっております。こうした背景の中、医薬品だけでなく「食品」の分野、特に大手「食品メーカー」において、薬剤師の高度な専門知識を求める動きが活発になっております。臨床とは異なるフィールドで、ご自身の知見を活かす「仕事内容」について解説いたします。

研究・開発部門での専門性の発揮

「食品メーカー」における薬剤師の「仕事内容」として、まず代表的なのが研究・開発部門でございます。特に、特定保健用食品（トクホ）や、機能性表示食品、サプリメント（栄養補助食品）の開発において、薬剤師の薬理学や生化学、製剤学に関する知識は不可欠です。食品に含まれる成分が、ヒトの身体に対してどのような機能性を持ち、どう作用するのか、その科学的根拠（エビデンス）を構築し、安全かつ有効な製品を設計することが主な業務となります。

品質管理・品質保証という重要な役割

医薬品がGMP（適正製造規範）に基づき厳格に管理されるのと同様に、食品にもHACCP（ハサップ）などの高度な衛生管理・品質管理基準が求められます。「食品メーカー」の品質管理（QC）や品質保証（QA）部門は、薬剤師の専門性が大いに活かされる分野です。原材料の受け入れから製造工程、最終製品に至るまで、製品が安全基準を満たしているかを科学的に検証し、消費者に安全・安心な「食品」を届けるための体制を構築・維持する、責任の重い「仕事内容」でございます。

薬事申請に類似する「機能性表示」業務

「食品メーカー」が、トクホや機能性表示食品として製品を販売するためには、その科学的根拠を消費者庁などの関係省庁に届け出て、審査や受理を受ける必要がございます。このプロセスは、医薬品の承認申請（薬事申請）業務と非常に類似しており、薬剤師が持つ専門知識や、規制要件の読解能力が求められる「仕事内容」でございます。製品の健康価値を、法規制に則って正しく消費者に伝えるための重要な役割です。

臨床現場との違いと転職エージェントの活用

このように、「食品メーカー」における薬剤師の「仕事内容」は、患者様と直接接する臨床業務とは大きく異なり、製品開発や品質管理、法規対応といった、メーカーならではの業務が中心となります。臨床とは異なる環境でご自身の専門性を試したいとお考えの皆様にとって、非常に魅力的なキャリアパスと申えましょう。しかし、こうした専門職の求人は数が限られており、ご自身だけで情報を収集し、応募先を見つけるのは容易ではございません。薬剤師専門の転職エージェントは、皆様のご経験やキャリアプランを深く伺い、「食品メーカー」という新たなステージへの挑戦を、専門的な知見をもってサポートいたします。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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