「スキルアップ」を面接で伝えるには？ 薬剤師転職で意欲を正しく評価される方法

薬剤師として転職活動を行う際、避けては通れないのが「面接」です。その面接の場で、「スキルアップしたい」というご自身の前向きな意欲を、どのように伝えれば採用担当者に正しく評価してもらえるのか、悩まれる方は少なくありません。伝え方一つで、その意欲が「向上心」と受け取られるか、あるいは「受け身な姿勢」と捉えられるかが変わってしまう可能性もあるのです。

面接官が「スキルアップ」の質問で知りたいこと

まず理解しておきたいのは、面接官が「スキルアップ」という言葉を通じて何を知りたがっているのか、という点です。採用担当者は、単に「勉強熱心な人」を探しているのではありません。応募者が「具体的に何を学びたいのか（計画性）」、「なぜ、それを今の職場ではなく、応募先で学びたいのか（必然性）」、そして最も重要な「スキルアップした結果、自社（病院・薬局）にどのように貢献してくれるのか（貢献意欲）」を見ています。「教えてもらいたい」という受け身の姿勢ではなく、自ら学び、それを組織に還元してくれる主体性を持った人材かを判断しようとしているのです。

「スキルアップしたい」を志望動機として伝える場合

面接で志望動機を尋ねられた際に「スキルアップ」を盛り込むのは、非常に有効な手段です。ただし、その伝え方には具体性が求められます。例えば、「貴社（貴院）でスキルアップしたい」とだけ伝えるのではなく、「これまでの調剤経験を活かしつつ、貴社が注力されている在宅医療の分野での専門性を高めたいと考えております。そして、そのスキルを活かし、将来的には地域包括ケアの一員として貴社の〇〇という取り組みに貢献したいです」といった形で、「具体的な目標」「応募先を選んだ理由」「将来的な貢献」をセットで伝えることが重要です。

「スキルアップ」を退職理由として伝える場合

面接で退職理由を聞かれた際に「スキルアップのため」と答えることも一般的です。この場合、現職への不満や批判として聞こえないよう、ポジティブな表現を心がけることが大切です。「現職では〇〇という経験を積み、基礎を学ぶことができ、大変感謝しております。その上で、次のステップとして、〇〇（例：特定の専門領域）の知見を深めたいという思いが強くなりました。現職の環境ではその機会が（物理的に）限られていたため、新たな挑戦ができる環境を求めて転職を決意いたしました」といった形で、前向きなキャリアプランの一環であることを論理的に説明しましょう。

面接での「自己PR」で過去のスキルアップ実績を伝える

面接では、「これからしたいスキルアップ」だけでなく、「これまでにご自身が取り組んできたスキルアップ」について触れることも、ご自身の向上心をアピールする絶好の機会となります。「自己PR」の中で、「患者様への服薬指導の質を高めるため、〇〇の研修に自主的に参加し、学んだ内容を日々の業務で実践してまいりました」といった具体的な行動実績を伝えることで、主体的に学ぶ姿勢を持っている人材であることを裏付けられます。

面接で「スキルアップ」に関して「逆質問」をする場合

面接の最後にある「何か質問はありますか？」という逆質問の時間も、ご自身の意欲を伝えるチャンスです。例えば、「入社までに準備しておくべき知識や、学んでおくべきスキルがあれば教えていただけますでしょうか」といった質問は、高い入社意欲を示すことができます。また、「貴社（貴院）で活躍されている薬剤師の皆様は、日々どのようなスキルアップに努めていらっしゃいますか」といった質問は、ご自身がその環境で成長していくイメージを持っていることを伝えられます。

面接での伝え方に自信がない時のサポート

ご自身のキャリアプランを整理し、それを面接という限られた時間の中で、採用担当者に響く言葉で論理的に伝えることは、一人では難しい場合もあります。特に「スキルアップ」という動機は、その背景や具体性、貢献意欲までをしっかりと構成しなければ、意図通りに伝わらない可能性もあります。どのような伝え方がご自身の経験や応募先の企業風土に合っているのか、客観的なアドバイスが必要になる場面もあるでしょう。

面接対策も含めたキャリア相談

もし、面接でのスキルアップの伝え方や、ご自身のキャリアプランの整理に不安を感じているのであれば、転職エージェントに相談してみるのも一つの有効な手段です。薬剤師専門の転職エージェントは、多くの薬剤師のキャリア相談や面接対策を行ってきた実績があります。応募先の企業がどのような人物像を求めているのかを熟知しており、ご自身の強みやスキルアップへの意欲を、どのように表現すれば最も効果的に伝わるのか、具体的なアドバイスを通じて、皆様の面接突破をサポートします。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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