薬剤師の職務経歴書、7枚は多すぎる?適切な枚数とまとめ方
薬剤師として豊富なキャリアを積んでこられた方が転職活動で職務経歴書を作成する際、これまでの輝かしい実績や多様な経験をまとめると、A4用紙で6枚、7枚と非常に長くなってしまうことがあります。その際に、「枚数が多すぎると、要点をまとめる能力がないと判断されてしまうのではないか」と、その適切なボリュームについて深く悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。この記事では、経験豊富な薬剤師の皆様が、ご自身のキャリアを効果的に伝えるための、職務経歴書の適切な枚数とまとめ方のポイントについて詳しく解説します。
職務経歴書の枚数に関する基本的な考え方
まず、一般的なビジネスマナーとして、職務経歴書は「A4用紙1枚から2枚」、多くても3枚程度にまとめるのが基本とされています。採用担当者は日々多くの応募書類に目を通しているため、長すぎる書類は敬遠される傾向にあるからです。要点が簡潔にまとめられており、短時間であなたのキャリアの概要と強みを把握できることが、読みやすい職務経歴書の絶対条件です。
したがって、7枚というのは、原則として情報過多であり、長すぎると判断される可能性が極めて高いと認識しておくことが重要です。
長い職務経歴書が与えるリスク
職務経歴書が7枚以上にわたってしまうと、採用担当者にいくつかのネガティブな印象を与えてしまうリスクがあります。一つは、「要約力・伝達能力への懸念」です。薬剤師の業務は、患者様に複雑な薬の情報を分かりやすく説明したり、医師に要点をまとめて疑義照会したりと、情報を簡潔に伝える能力が求められます。長すぎる書類は、その基本的なスキルに欠けるのではないかという印象を与えかねません。
二つ目は、「アピールポイントが埋もれてしまう」リスクです。本当に伝えたいあなたの強みや実績が、他の多くの情報の中に埋もれてしまい、採用担当者の目に留まらないまま読み飛ばされてしまう可能性があります。
最も重要なのは冒頭の「職務要約」
職務経歴書が長くなってしまう場合、採用担当者が最後まで興味を持って読み進めてくれるように、構成を工夫することが極めて重要です。その中でも、最も力を注ぐべきなのが、1枚目の冒頭に記載する「職務要約」です。採用担当者は非常に多忙であり、最初にこの要約を読んで、続きを読むかどうかを判断すると言っても過言ではありません。
ご自身のキャリアのハイライトや、応募先で最も活かせると考えるスキル、そして具体的な実績を、ここで200字から300字程度で簡潔に、かつ魅力的にアピールすることが、書類選考を突破するための最大の鍵となります。この職務要約で採用担当者の心を掴むことができれば、その後の詳細な経歴にも、意欲的に目を通してもらえる可能性が格段に高まります。
情報を「選択と集中」でまとめる
職務経歴書を適切な枚数に収めるためには、すべての経験を平等に詳しく書くのではなく、情報の「選択と集中」が不可欠です。まず、応募先の企業や医療法人がどのような人材を求めているのかを深く理解し、そのニーズに合致するご自身の経験を重点的に、具体的な数字やエピソードを交えて詳しく記述します。
一方で、応募先の業務内容との関連性が低い経験や、10年以上前といったかなり昔の職歴については、在籍期間と主な業務内容を1〜2行で簡潔に記載するに留める、という情報の強弱をつけましょう。すべての経験を網羅的に書くのではなく、アピールしたいポイントに焦点を絞る「戦略的」な視点が、読みやすく、かつ説得力のある職務経歴書を作成する上での鍵となります。