薬剤師の職務経歴書、ボランティア経験の書き方とアピール法
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書。その作成にあたり、学生時代やこれまでのキャリアの中で経験した「ボランティア活動」をどのように記載すれば良いか、その扱いに迷うことがあるかもしれません。「専門職である薬剤師のキャリアとは関係ないから書かない方が良いのだろうか」「正直に書いても、どう評価されるのだろうか」と、その書き方は非常にデリケートな問題です。しかし、この一見すると業務とは直接関係のないように思える経験も、書き方次第であなたの人柄や潜在能力、社会貢献への意識を伝える、貴重なアピールポイントになり得ます。この記事では、ボランティア経験を職務経歴書で効果的に伝えるための正しい書き方を解説します。
職務経歴書にボランティア経験は書くべきか
まず結論として、特に新卒や社会人経験の浅い若手薬剤師の方であれば、ボランティア経験は積極的に記載することをお勧めします。実務経験が少ない中で、あなたの主体性や協調性、コミュニケーション能力といったヒューマンスキルをアピールするための、非常に有効な材料となるからです。
すでに薬剤師として豊富な職務経歴を持つ方の場合でも、職歴にブランク期間がある場合、その期間に社会との接点を持っていたことを示すためにボランティア経験を記載するのは有効です。また、応募先の企業や医療法人が地域貢献活動に力を入れている場合など、その理念とあなたの経験が合致していれば、大きなアピールポイントとなり得ます。ただし、ごく短期間で終わったものや、アピールに繋げることが難しい活動を無理に記載する必要はありません。
ボランティア経験を記載する場所
ボランティア経験を職務経歴書に記載する場合、主に「自己PR」欄や「活かせる経験・知識・スキル」欄を活用するのが一般的です。長期間にわたって継続的に行っていた活動でなければ、職務経歴欄に記載するのは避けましょう。
最も効果的にアピールできるのは「自己PR」欄です。ここでは、単に「〇〇のボランティアをしていました」という事実を記すだけでなく、その活動を通じて何を学び、どのようなスキルを身につけ、それを薬剤師の仕事にどう活かしていきたいのかを、具体的なストーリーとして記述することが重要です。
薬剤師の仕事に繋がるアピールの切り口
ボランティアの経験と、薬剤師に求められる資質を結びつけてアピールすることが、採用担当者の納得感を引き出す鍵となります。
例えば、地域の高齢者施設での交流活動や、子供向けの学習支援ボランティアの経験は、多様な年代の患者様と円滑な関係を築くための「コミュニケーション能力」や「傾聴力」の証明となります。また、地域のイベント運営のボランティア経験は、薬局内やチーム医療における「協調性」や「計画性」をアピールする材料になるでしょう。海外でのボランティア活動であれば、異文化への適応能力や問題解決能力の高さを示すことができます。
自己PR欄での具体的な書き方と例文
自己PR欄でボランティア経験を語る際は、どのような目的で、あなたがどう考え、行動し、その結果何を得たのかを明確に伝えましょう。
私の強みは、相手の立場に立って考え、信頼関係を構築する力です。学生時代に地域の高齢者施設で傾聴ボランティア活動に2年間参加しました。当初はなかなか心を開いていただけませんでしたが、一人ひとりのお話に真摯に耳を傾け、その方の人生背景を理解しようと努めることで、徐々に「あなたと話すと安心する」という言葉をいただけるようになりました。この経験から、相手に寄り添い、信頼関係を築くことの重要性を学びました。この力を、薬剤師として患者様やそのご家族の不安に寄り添い、安心感を与えられるような服薬指導に活かし、貴局が目指す「地域のかかりつけ薬局」の役割に貢献したいです。