薬剤師の職務経歴書、「本人希望欄」で伝えるべきこととは?
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書。その作成にあたり、フォーマットによっては「本人希望欄」という項目が設けられていることがあります。履歴書にも同様の欄がありますが、「職務経歴書では何を書けば良いのだろうか」「何も書かない方が無難なのか」と、その扱いに悩んでしまう方も少なくありません。この記事では、採用担当者に好印象を与え、円滑なコミュニケーションに繋げるための、職務経歴書における本人希望欄の正しい書き方と注意点を詳しく解説します。
職務経歴書の本人希望欄が持つ役割
職務経歴書の本人希望欄は、職務経歴や自己PRといった他の項目では伝えきれない、応募者の個人的な状況や、働く上での譲れない条件などを採用担当者に伝えるためのスペースです。必ずしも記入が必須の項目ではありませんが、採用担当者があなたの状況をより深く理解し、採用後のミスマッチを防ぐための重要な情報源となることがあります。空欄のまま提出するよりも、ご自身の状況を伝えるために適切に活用することで、丁寧で配慮のできる人物であるという印象を与えることができます。
希望がない場合の基本的な書き方
まず、この欄の基本的なルールとして、職種や勤務地、給与といった条件面で、特筆すべき強い希望がない場合は、「貴社規定に従います。」と記載するのが最も一般的で丁寧な書き方です。応募先が病院であれば「貴院規定に」、薬局であれば「貴局規定に」と、応募先に合わせて使い分けると、より配慮が伝わります。
この一文を記載することで、特定の条件に固執するのではなく、企業のルールの中で柔軟に働く意思があることを示すことができます。「特になし」と書いたり、何も書かずに空欄のまま提出したりするよりも、ビジネス文書としての体裁が整い、前向きな姿勢を伝えることができます。
希望条件を記載した方が良いケース
原則として上記のように記載しますが、状況によっては、希望を明確に伝えておいた方が、採用後のミスマッチを防ぐために双方にとって有益となる場合があります。
その代表例が、企業が複数の職種(例:DI業務担当、臨床開発モニターなど)を同時に募集しており、ご自身の希望職種を明確に示したい場合です。その際は、「DI業務職を希望いたします。」と記載するのが適切です。また、育児や介護といった家庭の事情により、勤務地や勤務時間に「絶対に譲れない条件」がある場合も、その旨を正直に記載することが重要です。
本人希望欄に書くべきでない内容
本人希望記入欄で最も注意すべき点は、具体的な給与額や休日、福利厚生といった待遇面に関する細かい希望を記載しないことです。職務経歴書は、あなたのスキルや経験をアピールするための書類です。その段階で条件面ばかりを主張してしまうと、「仕事内容よりも待遇が第一なのか」と、仕事への意欲を疑われてしまう可能性があります。給与などの条件交渉は、選考が進み、面接の場などで直接コミュニケーションを取りながらすり合わせていくのが、より円滑な方法と言えるでしょう。