薬剤師の職務経歴書、「保有資格」欄の書き方で差がつくアピール術
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書は、履歴書と並んで非常に重要な書類です。その中でも、「保有資格」の欄は、あなたの専門性の高さや学習意欲を客観的に証明するための、絶好のアピールスペースとなります。この記事では、採用担当者の心に響き、あなたの価値を最大限に伝えるための、「保有資格」欄の正しい書き方と、それを自己PRに繋げるためのポイントを詳しく解説します。
職務経歴書における「保有資格」欄の重要性
職務経歴書における資格欄は、単に薬剤師免許を記載するだけの場所ではありません。採用担当者はこの欄から、あなたが薬剤師としての基礎能力に加えて、どのような分野に関心を持ち、専門性を高めるためにどのような努力をしてきたのかを読み取ろうとしています。特に、認定薬剤師や専門薬剤師といった資格は、あなたの向上心や主体性、そして特定の分野における即戦力性を示す強力な証拠となります。応募先の業務内容と関連性の高い資格を効果的に記載することで、他の応募者との明確な差別化を図り、あなたの市場価値を大きく高めることができるのです。
保有資格の正しい書き方と基本マナー
資格を記載する際は、社会人としての基本マナーとして、取得した年月順に、正式名称で正確に記入することが重要です。まず、薬剤師としての根幹である「薬剤師免許」を記載し、その後、その他の資格を時系列に沿って書いていきます。
薬剤師免許については、取得年月とともに「取得」と記し、免許証に記載されている「登録番号」も併記するのが最も丁寧な書き方です。その他の資格についても、資格の正式名称と、試験に合格した場合は「合格」、講座などを修了して得た場合は「取得」や「修了」、学会などから認められた場合は「認定」といった言葉を正しく使い分けましょう。
記入例:
20〇〇年 3月 薬剤師免許 取得(登録番号 第〇〇〇〇〇号)
20〇〇年 4月 普通自動車第一種運転免許 取得
20〇〇年10月 研修認定薬剤師 認定(公益財団法人日本薬剤師研修センター)
20〇〇年 5月 TOEIC公開テスト 750点 取得
アピールに繋がる資格の選び方
保有しているすべての資格を羅列するのではなく、応募先の業務内容との「関連性」を意識して、記載する資格を取捨選択することも大切です。例えば、在宅医療に力を入れている薬局に応募するのであれば、「在宅療養支援認定薬剤師」の資格は非常に強力なアピールになります。がん専門病院であれば、「がん専門薬剤師」や「外来がん治療認定薬剤師」の資格が即戦力としての評価に直結するでしょう。
また、直接的な専門資格でなくとも、語学力を示すTOEICのスコアは、外資系の製薬企業や外国人観光客が多い地域の薬局で、普通自動車運転免許は、在宅医療での訪問やエリアマネージャー職で高く評価される可能性があります。
資格を自己PRでさらに活かす方法
資格欄に事実を記載するだけでは、あなたの本当の価値は十分に伝わりません。その資格をどのように業務に活かせるのか、あるいは、その資格取得の過程でどのようなスキルを身につけたのかを「自己PR」欄で具体的に記述することで、アピール効果は格段に高まります。
例えば、「日本糖尿病療養指導士として、患者様の生活背景を深く理解した上での食事・運動指導に力を注いでまいりました。この経験で培った多角的な視点とカウンセリング能力は、貴院が推進されている生活習慣病の重症化予防において、必ずやお役に立てるものと確信しております」というように、応募先の特徴と自身のスキルを結びつけて語ることが重要です。単なる資格保有者ではなく、その能力を活かして貢献できる人材であることを明確に伝えましょう。