薬剤師の転職、職務経歴書で病院の「事業内容」はどう書く?
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書。その作成にあたり、過去に勤務していた「病院」の事業内容をどのように書けば良いのか、その表現に迷ってしまう方も少なくありません。株式会社のように明確な事業内容が書きにくい病院の場合、どのような情報を記載すれば、採用担当者にあなたの経験がより深く、そして正確に伝わるのでしょうか。この記事では、あなたの価値を最大限に伝えるための、病院勤務経験における事業内容の正しい書き方を詳しく解説します。
なぜ病院の「事業内容」を記載するのか
採用担当者は、職務経歴書から、あなたがこれまでどのような環境で、どのような役割を果たしてきたのかを具体的に知りたいと考えています。病院の「事業内容」を記載する目的は、その病院がどのような医療機能ち、どのような規模で、どのような患者様を対象とした医療を提供しているのかを客観的に示すことです。
この背景情報があることで、あなたがその中でどのような経験を積み、どのようなスキルを培ってきたのかという、後続の職務内容の説明に深みと説得力が生まれます。つまり、事業内容の記載は、あなたの経験の「質」と「量」を、採用担当者が正しく理解するための、重要な土台となるのです。
病院の事業内容として記載すべき具体的な項目
病院の事業内容を記載する際は、株式会社のように「〇〇の製造・販売」と書くのではなく、その病院の「機能」や「特徴」を示す情報を簡潔にまとめるのが基本です。具体的には、以下の項目を記載すると、あなたの経験背景が明確に伝わります。
まず、病院の規模を示す「病床数」は必須の情報です。次に、どのような医療を提供しているかを示す「標榜診療科」を記載します。すべての診療科を羅列する必要はなく、「内科、外科、小児科、精神科など〇〇科」というように、主要なものをいくつか挙げれば十分です。
さらに、その病院が地域でどのような役割を担っているかを示す「病院の指定・認定状況」も、非常に重要な情報です。「救急指定病院」「災害拠点病院」「地域医療支援病院」「がん診療連携拠点病院」といった公的な指定は、その病院の機能と専門性を客観的に示します。
【状況別】事業内容の具体的な書き方と例文
ここでは、病院のタイプに合わせた事業内容の書き方を、具体的な例文とともにご紹介します。
急性期総合病院の場合
法人名:医療法人社団〇〇会
事業内容:
急性期医療を提供する総合病院の運営
病床数:350床
標榜診療科:内科、循環器内科、外科、整形外科、脳神経外科、小児科、産婦人科など全20科
指定等:二次救急指定病院、地域医療支援病院
専門病院(がん専門など)の場合
法人名:医療法人△△会
事業内容:
がん治療を専門とする病院の運営
病床数:200床
標榜診療科:腫瘍内科、消化器外科、呼吸器外科、放射線治療科、緩和ケア内科など
指定等:がん診療連携拠点病院
療養型病院の場合
法人名:医療法人□□会
事業内容:
長期療養を目的とした医療を提供する療養型病院の運営
病床数:150床(医療療養病床)
標榜診療科:内科、リハビリテーション科
事業内容があなたの経験を裏付ける
これらの客観的な情報を記載した上で、「職務内容」として、あなたがその環境で具体的にどのような業務(病棟業務、DI業務、多職種連携など)に取り組んできたのかを説明することで、あなたのアピールは格段に説得力を増します。例えば、「がん診療連携拠点病院で、抗がん剤の混合調製と副作用モニタリングに従事」と書けば、あなたの専門性の高さが明確に伝わります。病院の事業内容を正しく記載することは、あなたという薬剤師の価値を、より立体的で魅力的なものにするための重要なステップなのです。