薬剤師の転職、職務経歴書を間違えた際の正しい対処法
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書は、採用の可否を左右する非常に重要な書類です。心を込めて作成したものの、提出する前や、あるいは提出した後に、思わぬ誤字脱字や記載ミスを発見して、冷や汗をかいた経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。たった一文字のミスですが、その対処法一つで、あなたの社会人としての評価が大きく変わることがあります。この記事では、職務経歴書でミスをしてしまった際の正しい対処法と、それを未然に防ぐためのポイントについて詳しく解説します。
修正テープや二重線による訂正は絶対にNG
まず、最も重要な原則として、職務経歴書のような公的な応募書類において、修正テープや修正液、あるいは二重線による訂正は、一切認められていません。たとえきれいに修正できたとしても、訂正の跡がある職務経歴書は、採用担当者に「準備不足なのではないか」「仕事においても、同じように丁寧さに欠けるのかもしれない」といった、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
特に、医薬品の監査や調剤といった、ミリグラム単位のミスも許されない正確性が求められる薬剤師という職業においては、応募書類の完璧さもまた、その適性を測る一つの指標と見なされます。書類としての信頼性を損なう訂正は、ビジネスマナー違反であると心得ましょう。
ミスに気づいた時点別の適切な対処法
ミスを発見したタイミングによって、とるべき対応は異なります。どのような状況でも、誠実な姿勢を貫くことが重要です。
提出前にミスに気づいた場合
書類を提出する前にミスに気づいた場合の対処法はただ一つです。それは、「新しい書類を、一からすべて作成し直す」ことです。パソコンで作成している場合は、データを修正して再度印刷し直しましょう。手書きの場合、手間と時間はかかりますが、その丁寧な姿勢こそが、あなたの真摯さや誠実さを伝える上で何よりも重要です。
提出後にミスが発覚した場合
応募書類を郵送したり、メールで送信したりした後にミスが発覚した場合は、冷静な判断が求められます。氏名や連絡先といった、選考を進める上で致命的な間違いであれば、速やかに採用担当者に電話かメールで連絡し、訂正とお詫びを伝えるべきです。
一方で、自己PR文の中の誤字など、文脈の理解に大きな支障がない軽微なミスであれば、あえてこちらから連絡する必要はありません。採用担当者も人間ですので、小さなミス一つで不採用を決定づけることは稀です。その場合は、もし面接の機会が与えられた際に、面接の冒頭で「提出いたしました職務経歴書に一点誤りがございました。大変申し訳ございません」と、自ら誠実に申し出て口頭で訂正するのがスマートな対応です。
完璧な書類を目指すためのミス防止策
どれだけ気をつけていても、人間である以上、ミスを完全になくすことは難しいものです。しかし、いくつかのチェック方法を組み合わせることで、ミスのリスクを限りなくゼロに近づけることは可能です。
まず、パソコンで作成した場合でも、完成した書類は一度紙に印刷して確認することをお勧めします。画面上で見ているだけでは気づかなかった文字の違和感や、レイアウトの崩れなどを、客観的に発見しやすくなります。
次に有効なのが、「声に出して音読する」という方法です。目で追っているだけでは見落としがちな文章のリズムの乱れや、不自然な言い回しに、耳で聴くことで気づくことができます。
また、作成した直後に見直しをするのではなく、一度時間を置いてから、頭をリフレッシュさせた状態で再度確認することも重要です。
ご自身の目で何度も確認しても、思い込みや慣れからミスを見逃してしまうことはあります。そこで最も効果的なのが、家族や信頼できる友人、あるいは転職エージェントのコンサルタントといった、第三者に読んでもらうことです。他者の客観的な視点を通すことで、自分では気づけなかった間違いや、より伝わりやすい表現についてのアドバイスを得ることができます。完璧な書類を提出しようとするその真摯な姿勢が、あなたの信頼性を伝えることに繋がります。