薬剤師の転職、職務経歴書で差がつくパソコンスキルの書き方
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書。その中でも、現代の薬局や病院業務に不可欠な「パソコンスキル」は、あなたの業務遂行能力や適応力を示す上で、意外と見られている重要な項目です。この記事では、採用担当者にあなたの価値を効果的に伝え、好印象を与えるための、パソコンスキルの正しい書き方について詳しく解説します。
なぜパソコンスキルが重要視されるのか
電子薬歴の導入が当たり前となり、医薬品の在庫管理や情報収集、資料作成など、薬剤師の日常業務においてパソコンを扱う場面は年々増加しています。そのため、採用担当者は、応募者が基本的なPCスキルをどの程度有しているのかを確認し、入社後スムーズに業務へ適応できるかを判断しようとしています。
体裁の整った職務経歴書をパソコンで作成できること自体が、まず基本的なスキルがあることの証明となりますが、さらに具体的なスキルを明記することで、あなたの業務効率性や学習意欲をアピールし、他の応募者との差別化を図ることができるのです。
職務経歴書に記載すべきパソコンスキルの種類
薬剤師の転職において、アピールに繋がりやすいパソコンスキルは、主に「基本的なオフィスソフトのスキル」と「専門的なシステムの使用経験」の二つに分けられます。
まず、基本的なスキルとして、Word、Excel、PowerPointといったMicrosoft Office製品の操作スキルが挙げられます。これらは、患者様向けの説明資料の作成や、在庫データの管理、院内勉強会での発表資料作成など、様々な場面で活用できる汎用性の高いスキルです。
次に、専門的なスキルとして、電子薬歴システムやレセプトコンピュータ(レセコン)の使用経験は、あなたの即戦力性を直接的にアピールする上で非常に強力です。過去に使用経験のあるメーカー名や製品名を具体的に記載することで、採用担当者はあなたが自社のシステムにどの程度早く適応できるかを具体的にイメージできます。
スキルレベルを具体的に伝える書き方
単に「Word、Excelが使えます」と書くだけでは、どの程度のことができるのかが採用担当者には伝わりません。ご自身のスキルレベルを、具体的な業務内容と結びつけて表現することが、説得力のあるアピールに繋がります。「初級」「中級」といった自己評価ではなく、「何ができるのか」を客観的な事実として記述しましょう。
例えば、Wordであれば「患者様向けの服薬指導箋や、院内向け資料の作成が可能です」と書きます。Excelであれば、「SUMやAVERAGEといった基本的な関数を用いた在庫管理表の作成、データ入力が可能です」や、さらに踏み込んで「VLOOKUP関数を用いたデータ集計や、グラフ作成による医薬品の使用量分析が可能です」と記述すれば、あなたの分析能力も示すことができます。PowerPointであれば、「院内勉強会での発表資料(スライド作成、図表の挿入)の作成経験がございます」といった表現が有効です。
【例文】パソコンスキルの具体的な書き方
職務経歴書には、「活かせる経験・知識・スキル」などの項目を設け、以下のようにまとめると分かりやすく伝わります。
記入例1:基本的なスキルをアピールする場合
Word:患者様向けの説明資料や、業務マニュアルの作成が可能です。
Excel:医薬品の在庫管理表の作成、データ入力、基本的な関数(SUM、AVERAGE)の使用が可能です。
電子薬歴:〇〇社製のシステムの使用経験がございます(3年間)。
記入例2:より応用的なスキルをアピールする場合
Word:図や表を挿入した、分かりやすい新人研修用資料の作成経験がございます。
Excel:VLOOKUP関数やピボットテーブルを用いた在庫データ分析、グラフ作成による使用量傾向の可視化が可能です。
PowerPoint:院内勉強会での発表資料(スライド作成、アニメーション設定)の作成経験がございます。
電子薬歴:〇〇社製および△△社製のシステム操作に習熟しており、スムーズな入力・情報参照が可能です。
このように、ご自身のスキルを具体的な業務と結びつけて表現することで、採用担当者はあなたの能力を正しく評価し、入社後の活躍を具体的にイメージすることができるのです。