【例文付き】薬剤師の職務経歴書、差がつく「スキル」の書き方
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身の専門性と即戦力性をアピールするための、極めて重要な書類が職務経歴書です。その中でも、「活かせる経験・知識・スキル」の項目は、採用担当者に「この薬剤師こそ、私たちが求めている人材だ」と強く印象付けるための、最大のプレゼンテーションスペースと言えるでしょう。この記事では、あなたの価値を最大限に伝え、採用担当者の心に響くスキルの棚卸しと、その書き方を具体的な例文とともに詳しく解説します。
スキルを分類して分かりやすく整理する
効果的なアピールを行うための第一歩は、ご自身のスキルを客観的に整理することから始まります。スキルは大きく分けて、薬剤師としての専門的な能力を示す「専門スキル」と、職種を問わず活用できる汎用的な「ビジネススキル」の二つに分類すると、ご自身の強みが明確になり、採用担当者にも伝わりやすくなります。
薬剤師としての「専門スキル」の書き方と例
専門スキルを記載する際は、単に「調剤業務」と書くだけでなく、どのような環境で、どの程度の業務をこなしてきたのかを具体的に示すことが重要です。
調剤・監査・服薬指導スキル
薬剤師としての基本スキルですが、その質と量を具体的に示すことが大切です。
例:
・内科、小児科、精神科領域の処方箋を中心に、1日平均150枚の調剤・監査業務を5年間経験。
・高齢者施設における一包化調剤と、多剤服用患者様への服薬管理指導。
特定の疾患領域に関する専門知識
がん、糖尿病、循環器、精神科など、特定の領域における深い知識や、関連する認定資格は、専門性の高さをアピールする上で非常に強力です。
例:
・がん専門病院にて3年間、抗がん剤の混合調製(無菌調製)および副作用モニタリング業務に従事。
・日本糖尿病療養指導士として、患者様の生活背景を考慮した食事・運動指導の経験。
在宅医療・多職種連携スキル
訪問服薬指導の経験や、ケアマネジャー、訪問看護師といった多職種との連携経験は、地域包括ケアシステムが推進される現代において、非常に需要の高いスキルです。
例:
・在宅医療チームの立ち上げメンバーとして、個人宅および施設への訪問服薬指導を月20件担当。
・地域の多職種連携カンファレンスに定期的に参加し、薬学的観点からの処方提案を実施。
マネジメントスキル
管理薬剤師や薬局長として、医薬品の在庫管理、店舗の売上管理、スタッフのシフト管理や指導・育成に携わった経験は、あなたのリーダーシップと経営的な視点を示す上で有効です。
例:
・管理薬剤師として、後輩薬剤師2名のOJT指導および新人研修プログラムの作成を担当。
・需要予測に基づいた発注システムの改善により、不動在庫を前年比で10%削減。
人柄や適応力を示す「ビジネススキル」の書き方と例
薬剤師の仕事は、専門知識だけでなく、円滑な人間関係を築くためのビジネススキルも同様に重要です。これらのスキルをアピールすることで、あなたの人柄や職場への適応能力の高さを示すことができます。
コミュニケーション能力
患者様や医療スタッフとの関わりの中で、どのように能力を発揮してきたかを具体的に示します。
例:
・患者様の不安に寄り添う傾聴力を活かし、かかりつけ薬剤師として多くの方から信頼を獲得。
・医師や看護師に対し、根拠に基づいた疑義照会や処方提案を行うことで、円滑な連携関係を構築。
PCスキル
電子薬歴の操作経験は、今や必須のスキルです。使用経験のあるメーカー名などを記載すると、即戦力としてのアピールに繋がります。
例:
・電子薬歴システム(〇〇社製、△△社製)の使用経験(5年間)
・Word、Excel、PowerPointを使用した資料作成、データ管理、勉強会の発表経験。
これらのスキル例を参考に、ご自身の経験を棚卸しし、応募先の薬局や病院が求める人物像と照らし合わせ、最も貢献できるであろうスキルを中心に記載することが、転職成功への鍵となります。