薬剤師の職務経歴書、「特記事項」で差がつく書き方と活用法
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書。その作成にあたり、フォーマットによっては「特記事項」という欄が設けられていることがあります。「自己PRとは別に、何を書けば良いのだろう」「何も書くことがない場合はどうすれば?」と、その扱いに悩んでしまう方も少なくないでしょう。しかし、この特記事項欄は、書き方次第であなたの誠実さや働く意欲を伝え、他の応募者と差をつけるための有効なスペースになり得ます。この記事では、職務経歴書における特記事項欄の役割と、採用担当者に好印象を与えるための正しい書き方を解説します。
「特記事項」欄が持つ基本的な役割
職務経歴書における特記事項欄は、職務経歴や自己PRといった他の項目では伝えきれない、応募者の個人的な状況や補足情報を採用担当者に伝えるためのスペースです。必ずしも記入が必須の項目ではありませんが、採用担当者があなたの状況をより深く理解し、スムーズな選考を進めるための重要な情報源となることがあります。空欄のまま提出するよりも、ご自身の状況を伝えるために適切に活用することで、丁寧で配慮のできる人物であるという印象を与えることができます。
ポジティブな補足情報を記載して意欲をアピールする
特記事項欄は、ご自身のスキルや意欲を補足的にアピールする場として活用できます。例えば、薬剤師としての専門性を高めるために、現在取り組んでいることがあれば記載しましょう。「現在、がん専門薬剤師の資格取得に向けて勉強中です」といった一文は、あなたの向上心や主体性を強くアピールします。
また、電子薬歴の操作経験など、応募先の業務に直接活かせる具体的なPCスキルを補足するのも有効です。「〇〇社製の電子薬歴システムについて、5年間の使用経験がございます」といった情報は、あなたの即戦力性を具体的に示すことができます。
業務に影響しうる重要事項を事前に伝える
採用担当者が懸念を抱く可能性のある事項について、事前にこの欄で伝えておくことで、あなたの誠実さを示し、相手に安心感を与えることができます。例えば、遠方から応募しており、採用が決まった際には転居を予定している場合です。「採用いただきました際には、速やかに貴院(貴局)へ通勤可能な範囲へ転居する所存です」と記載しておくことで、採用担当者は通勤に関する心配をすることなく、選考を進めることができます。
また、過去に病気やケガで療養していた経験がある場合も、「現在は完治しており、薬剤師としての業務遂行に全く支障はございません」と明記することで、現在の健康状態に問題がないことを明確に伝えることができます。
「特記事項」欄に書くべきでない内容
この欄を有効活用する一方で、記載すべきでない内容も理解しておくことが重要です。最も注意すべきなのは、給与や休日、勤務時間といった待遇面に関する希望です。これらの希望条件は、履歴書の「本人希望記入欄」に記載するのがマナーです。もし本人希望記入欄がない場合でも、特記事項に待遇面の希望を詳細に書くと、仕事内容よりも条件を優先する人物であるという印象を与えかねません。
また、特に記載することがないからといって、自己PRや職務経歴を長々と書くのも避けましょう。それぞれの項目には指定された欄があります。何も書くことがない場合は、正直に「特になし」と記載すれば問題ありません。この「特になし」という一言が、あなたがこの項目を確認し、記載すべき事項がないことを正式に示した証拠となります。