面接の逆質問：「2個」準備すれば十分？薬剤師が押さえるべきポイント

なぜ薬剤師の面接で「こちらから」の質問が重要か

薬剤師の転職活動において、面接はご自身の経験やスキルを伝える重要な機会ですが、同時に応募先の薬局や病院、企業がご自身に合っているかを見極める場でもあります。面接の最後には、多くの場合、「何か質問はありますか？」と面接官から応募者に問いかける時間（いわゆる「逆質問」）が設けられます。この時間は、単に疑問点を解消するためだけのものではありません。どのような質問をするかによって、あなたの入職意欲の高さ、企業（病院・薬局）への関心度、そしてコミュニケーション能力や思考力を示すことができる、非常に重要なアピールチャンスなのです。薬剤師として、入職後のミスマッチを防ぎ、納得のいく転職を実現するためにも、この逆質問の時間を有効に活用することが求められます。

質問は「何個」準備すべきか？「2個」は適切か？

面接対策を進める中で、「逆質問はいくつ準備すれば良いのだろう？」「2個くらいで十分だろうか？」と、質問の「数」について悩む方は少なくありません。確かに、質問が多すぎると面接官の時間を過度に奪ってしまう可能性がありますし、少なすぎると意欲が低いと受け取られかねません。

結論から言うと、重要なのは「数」よりも「質」です。しかし、準備する数として「2個」というのは、一つの目安にはなりますが、少し心許ない可能性もあります。なぜなら、準備していた質問の答えが、面接中の会話の中で先に説明されてしまうケースも多々あるからです。

面接官に好印象を与え、かつご自身の疑問も解消するためには、質の高い質問を「3〜5個」程度準備しておき、その場の流れや面接の残り時間に応じて、特に聞きたいことを2個か3個に絞って質問するのが最もスマートな対応と言えるでしょう。

好印象を与える質問の「質」とは？

では、面接官に好印象を与える「質の高い質問」とはどのようなものでしょうか。それは、あなたの入職意欲や、応募先への深い関心、そして貢献意欲が伝わる質問です。

意欲が伝わる質問

入職後の働き方を具体的にイメージしていることが伝わる質問は、熱意のアピールになります。例えば、「もし採用いただけた場合、入職までに特に勉強しておくべき分野や、準備しておくべきことはございますか？」や、「薬剤師チーム（あるいは多職種連携チーム）の中で、中途入社の薬剤師に特に期待される役割は何でしょうか？」といった質問です。

企業研究に基づいた質問

応募先の薬局や病院、企業の理念や特徴、最近の取り組みなどを事前にしっかりと研究し、それに基づいた質問も非常に有効です。「貴院（御社）が特に力を入れていらっしゃる〇〇（例：在宅医療、専門外来など）について、薬剤師として具体的にどのような形で関わることができますでしょうか？」のように、具体的な取り組みに触れることで、企業研究の深さと思考力を示すことができます。

避けるべき質問とその理由

一方で、面接の場で避けるべき質問もあります。まず、企業のウェブサイトや求人票を読めばすぐに分かるような基本的な情報を質問するのは、準備不足と見なされるため厳禁です。

また、面接の早い段階（特に一次面接など）で、給与や休暇、福利厚生といった条件面ばかりを詳細に聞くのも、「待遇にしか興味がない」と受け取られかねないため、避けた方が賢明です（これらの確認は、内定が近づいた段階で行うのが一般的です）。

そして最も避けたいのが、「特にありません」と答えてしまうことです。これは意欲不足と判断される可能性が非常に高いです。

質問準備への不安を解消するために

このように、面接での逆質問は、しっかりとした準備が求められます。しかし、どのような質問をすれば良いか、企業のどの情報を調べればよいか、ご自身一人で準備することに不安を感じることもあるかもしれません。特に、応募先の企業文化や面接官の立場によって、響く質問の内容も変わってくる可能性があります。

もし、こうした面接での質疑応答や、逆質問の考え方、面接マナー全般に少しでも不安を感じるようであれば、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、応募先の詳細な情報（職場の雰囲気や過去の面接傾向なども含む）に基づき、効果的な逆質問の準備や、面接全体の流れを踏まえた適切なマナーについて、具体的なアドバイスを行います。また、模擬面接を通じて、実践的な練習を行い、自信を持って本番に臨むためのサポートを受けることも可能です。「2個」の質問で不安を感じるよりも、万全の準備であなたの熱意を最大限に伝えられる面接を実現しましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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