面接の「最後に一言」、薬剤師はどう答えるべき？

なぜ面接の最後に「一言」が求められるのか？

薬剤師の転職活動における面接は、終盤に差し掛かると、面接官から「最後に何か言い残したことはありますか？」あるいは「最後に一言どうぞ」といった形で、応募者に発言の機会が与えられることがよくあります。これは、単なる形式的なものではなく、採用担当者があなたの最終的な印象を確認し、評価するための重要な場面です。

この「最後の一言」は、面接全体を通して伝えきれなかった熱意や、自己PRの補足をするための最後のチャンスとなります。また、面接官は、あなたがこの機会をどのように活かすか、その内容や話し方から、あなたのコミュニケーション能力、積極性、そして入職への本気度を最後まで見極めようとしています。特に薬剤師は、患者様や医療スタッフに対して、最後まで責任を持って丁寧に対応する姿勢が求められるため、この最後の場面での振る舞いも、その適性を示すものとして注目されるのです。

面接官の意図とは？

面接官が「最後に一言」を促す背景には、いくつかの意図があります。一つは、応募者が面接を通して疑問点が解消されたか、あるいは言い足りなかったことがないかを確認し、後悔なく面接を終えてもらうための配慮です。もう一つは、応募者の入職意欲や熱意を改めて確認したいという意図です。ここで積極的にアピールできれば、評価を高める可能性があります。さらに、予期せぬ質問（指示）に対して、どのように考え、対応するかという、とっさの対応力や自己表現力を見ている場合もあります。

「最後に一言」で何を伝えるべきか？

この貴重な機会を最大限に活かすためには、何を伝えるべきかを事前に考えておくことが重要です。いくつか効果的な伝え方の方向性があります。

熱意と意欲の再表明

最も基本的なのは、改めて入職への強い意欲と熱意を伝えることです。「本日の面接を通じて、改めて貴院（御社）で薬剤師として貢献したいという思いが強くなりました。もし採用いただけましたら、一日も早く戦力となれるよう精一杯努めてまいります」といった形で、前向きな言葉で締めくくります。

自己PRの補足（言い足りなかったこと）

面接中に十分に伝えきれなかったご自身の強みや経験について、簡潔に補足するのも良いでしょう。「先ほど〇〇の経験についてお話ししましたが、その際に培った△△のスキルは、特に貴院（御社）の□□業務において活かせると考えております」のように、具体的な貢献イメージと結びつけて話すと効果的です。ただし、長くなりすぎないよう注意が必要です。

入職後の貢献イメージを具体的に示す

もし可能であれば、入職後にどのように貢献していきたいか、その具体的なイメージを伝えることも有効です。「本日の面接でお伺いした〇〇という課題に対し、私のこれまでの△△の経験を活かして、□□といった形で貢献できるのではないかと考えております」のように、面接内容を踏まえた上で話せると、より意欲と理解度の高さを示せます。

感謝の言葉で締めくくる

特に強調したいアピールポイントがない場合や、すでに十分に伝えられたと感じる場合は、改めて面接の機会をいただいたことへの感謝の言葉で締めくくるのも丁寧な対応です。「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。選考の結果を楽しみにしております」といった形で、感謝と敬意を示しましょう。

好印象を与える「最後の一言」のポイント

どのような内容を話すにしても、以下の点を意識すると、より好印象につながります。

まず、「簡潔さ」です。長々と話し続けるのは避け、要点を絞って30秒〜1分程度にまとめるのが理想的です。次に、「具体性」です。抽象的な言葉だけでなく、ご自身の経験や考えに基づいた具体的な言葉を選びましょう。そして、「前向きな姿勢」です。ネガティブな表現は避け、最後までポジティブな言葉で締めくくることが大切です。最後に、「熱意」です。言葉だけでなく、明るい表情やはっきりとした声のトーン、そして相手の目を見て話すといった態度も、あなたの熱意を伝える上で重要です。

避けるべき「最後の一言」

一方で、以下のような「最後の一言」は避けるべきです。

• 「特にありません」：意欲がない、あるいは準備不足と受け取られかねません。
• 給与や待遇に関する質問や要望：このタイミングで条件面の話を切り出すのは不適切です。
• 面接内容への不満やネガティブな発言：最後の印象が悪くなります。
• これまでの自己PRと全く同じ内容の繰り返し：新たな情報がなく、工夫が見られません。

もし何も思いつかなかった場合の対応

もし、緊張などから何もアピールすることが思いつかなかったとしても、「特にありません」と即答するのは避けましょう。その場合は、上記で触れたように、改めて面接の機会への感謝の言葉を丁寧に述べることで、誠実な印象を残すことができます。

「最後の一言」の準備に不安がある薬剤師の方へ

このように、面接の「最後の一言」は、あなたの印象を決定づける重要な締めくくりとなります。何をどのように伝えれば良いか、ご自身一人で準備するのは難しいと感じることもあるかもしれません。特に、応募先の企業文化や面接官のタイプによって、響く言葉も変わってくる可能性があります。

もし、こうした面接での質疑応答や、「最後の一言」の考え方、面接マナー全般に少しでも不安を感じるようであれば、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、応募先の詳細な情報や過去の面接傾向に基づき、効果的な「最後の一言」の準備や、面接全体の流れを踏まえた適切なマナーについて、具体的なアドバイスを行います。また、模擬面接を通じて、実践的な練習を行い、自信を持って本番に臨むためのサポートを受けることも可能です。万全の準備で、面接の最後まで好印象を維持し、採用を勝ち取るために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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