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薬剤師と助産師、給料はどちらが高い?仕事内容や働き方の違いも解説

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医療現場で専門性を活かして活躍する薬剤師と助産師。どちらも人々の健康や生命に深く関わる、やりがいのある仕事です。しかし、キャリアを考える上で、給料や仕事内容、働き方の違いは気になるポイントではないでしょうか。「薬剤師と助産師、給料が良いのはどちらだろう?」「それぞれの仕事にはどんな特徴があるのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、薬剤師と助産師の給料の一般的な傾向や仕事内容、必要な資格、そしてそれぞれの魅力や大変さなどを比較しながら詳しく解説します。

薬剤師の仕事と給料

まずは、薬剤師の仕事内容と給料について見ていきましょう。

薬剤師の主な仕事内容と必要な資格

薬剤師の主な仕事は、医薬品の適正使用を通じて、人々の健康を守り、治療効果を高めることです。具体的には以下のような業務があります。

  • 調剤業務: 医師の処方箋に基づいて、医薬品を正確に調剤します。
  • 服薬指導: 患者さんに対して、薬の効果、副作用、正しい服用方法、保管方法などを説明し、相談に応じます。
  • 医薬品管理: 医薬品の品質管理、在庫管理、発注業務などを行います。
  • 医薬品情報提供(DI業務): 医師や看護師などの医療従事者に対して、医薬品に関する情報を提供します。
  • 在宅医療: 患者さんの自宅を訪問し、服薬管理や指導を行います。
  • その他: 薬物療法のモニタリング、副作用の収集・報告、チーム医療への参画、公衆衛生活動(薬物乱用防止啓発など)など、多岐にわたります。

薬剤師になるためには、6年制の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格して「薬剤師免許」を取得する必要があります。

薬剤師の給料の一般的な傾向

薬剤師の給料は、勤務先や経験、スキルなどによって異なりますが、一般的に日本の平均年収と比較して高い水準にあると言われています。

  • 平均的な給与水準: 全国の薬剤師の平均年収は、他の多くの職種と比較して高い傾向にあります。月収や時給で見た場合も同様です。
  • 勤務先による給与差:
    • 薬局(調剤薬局、ドラッグストア): 店舗数が多く、求人も比較的豊富です。ドラッグストアは調剤薬局に比べて給与水準がやや高い傾向がありますが、業務内容も異なります。
    • 病院・クリニック: 専門性を高めたい薬剤師に人気がありますが、初任給は薬局と比較して低い場合もあります。ただし、経験や役職、専門資格によって昇給が期待できます。
    • 製薬会社: MR(医薬情報担当者)、研究開発、学術などの職種があり、一般的に給与水準は高いですが、高い専門性や成果が求められます。
  • 経験年数、役職、専門性: 経験年数が長くなるほど、また管理薬剤師や薬局長、薬剤部長といった役職に就くことで給与は上昇します。認定薬剤師や専門薬剤師の資格を持つことも、手当や評価に繋がることがあります。
  • 雇用形態: 正社員のほか、パート・アルバイト、派遣薬剤師といった働き方があり、それぞれ給与体系(月給制、時給制など)や賞与の有無が異なります。

助産師の仕事と給料

次に、助産師の仕事内容と給料について見ていきましょう。

助産師の主な仕事内容と必要な資格

助産師は、妊娠期から出産、産褥期(産後)に至るまでの母子の健康管理とケア、そして新しい家族の形成を支援する専門職です。正常な妊娠・分娩においては、医師の指示なしに助産行為を行うことができます。

  • 妊娠期のケア: 妊婦健診、保健指導(栄養、運動、生活指導など)、母親学級の開催。
  • 分娩期のケア: 分娩介助、産婦の心身のサポート、異常の早期発見と対応。
  • 産褥期のケア: 母親の心身の回復支援、授乳指導、育児指導。
  • 新生児のケア: 新生児の健康状態の観察、沐浴指導、新生児訪問。
  • その他: 思春期・更年期の女性の健康相談、性教育、不妊相談、家族計画指導など、女性のライフサイクル全般に関わるケア。

助産師になるためには、まず看護師国家試験に合格して「看護師免許」を取得した後、さらに助産師養成課程(大学院、大学専攻科、専門学校など1年以上)を修了し、助産師国家試験に合格して「助産師免許」を取得する必要があります。つまり、二つの国家資格が必要となります。

助産師の給料の一般的な傾向

助産師の給料も、薬剤師と同様に勤務先や経験などによって異なりますが、こちらも専門性の高い職種として、一般的に日本の平均年収と比較して高い水準にあると言われています。

  • 平均的な給与水準: 助産師の平均年収は、薬剤師の平均年収とほぼ同等か、場合によってはやや高い傾向が見られることもあります。これは、夜勤やオンコール勤務に対する手当、資格の専門性などが影響していると考えられます。
  • 勤務先による給与差:
    • 病院・クリニック: 総合病院の産科病棟、大学病院、産科専門クリニックなどが主な勤務先です。施設の規模や役割、地域によって給与は異なります。
    • 助産所: 助産師が独立して開業する施設です。経営者としての手腕も収入に影響します。
    • 保健センター・行政機関: 公務員として、母子保健事業などに携わります。給与は公務員の規定に基づきます。
  • 経験年数、役職、専門性: 経験年数が長くなるほど、また師長や主任といった役職に就くことで給与は上昇します。アドバンス助産師などの専門性を高める資格も評価に繋がることがあります。
  • 夜勤やオンコール手当: 分娩は24時間365日いつ起こるか分からないため、夜勤やオンコール(緊急呼び出し)勤務が伴うことが多く、これらに対する手当が給与に大きく加算されます。
  • 開業助産師の場合: 独立開業した場合、経営が軌道に乗れば高い収入を得られる可能性がありますが、同時に経営リスクも伴います。

薬剤師と助産師の給料比較と影響要因

薬剤師と助産師の平均的な給与水準は、統計データなどを見ると、比較的近いレベルにあることが多いようです。どちらも医療系専門職の中で高い水準と言えます。しかし、個々のケースでは様々な要因によって給与に差が出ます。

給与に差が出る主な要因の考察:

  • 資格取得のプロセスと専門性:
    • 薬剤師は6年制薬学部卒業が必須です。
    • 助産師は看護師免許取得後、さらに1年以上の助産師養成課程の修了が必要です。資格取得までの道のりや専門分野の違いが、初任給やその後の給与カーブに影響する可能性があります。
  • 業務の責任範囲とリスク:
    • 薬剤師は医薬品の適正使用と安全管理に大きな責任を負います。
    • 助産師は母子の生命に直結する場面に立ち会い、緊急時の判断や対応も求められます。業務に伴うリスクや精神的プレッシャーの度合いも考慮されるでしょう。
  • 夜勤や時間外勤務の有無・頻度:
    • 薬剤師も病院勤務や24時間対応の薬局では夜勤や時間外勤務がありますが、一般的に助産師の方が分娩対応などで不規則な勤務やオンコールが多くなる傾向があり、それが手当として給与に反映されやすいです。
  • 需要と供給のバランス:
    • 薬剤師、助産師ともに専門性が高く、常に一定の需要がありますが、地域や特定の専門分野によっては人材不足の状況もあり、それが給与水準に影響を与えることがあります。
  • 勤務先の経営母体や規模:
    • 国公立病院、私立病院、大手法人、個人経営など、勤務先の経営状況や給与規定によって、基本給や手当、賞与の額は大きく異なります。

生涯年収という視点で見ると、キャリアパスの多様性(薬剤師は製薬企業や行政など幅広い選択肢があるのに対し、助産師は臨床現場が中心となることが多い)や、働き続けやすさなども影響してくるでしょう。

薬剤師と助産師、それぞれの働きがいと大変さ

給料だけでなく、仕事のやりがいや大変さを理解することも、職種を選ぶ上で非常に重要です。

薬剤師

  • やりがい:
    • 薬の専門家として、患者さんの治療に直接貢献できる。
    • 患者さんから感謝されることで、人の役に立っていると実感できる。
    • チーム医療の一員として、他職種と連携し専門性を発揮できる。
    • 医薬品に関する知識を深め、常に新しい情報を学べる。
  • 大変さ:
    • 調剤過誤に対するプレッシャーが大きい。
    • 患者さんや医療スタッフとのコミュニケーションで苦労することもある。
    • 医薬品や医療制度に関する知識を常にアップデートし続ける必要がある。
    • 立ち仕事が多く、体力が必要な場合もある。

助産師

  • やりがい:
    • 新しい命の誕生という感動的な瞬間に立ち会える。
    • 妊娠・出産・育児という女性の人生の大きな出来事に寄り添い、サポートできる。
    • 母親や家族から深い信頼と感謝を得られる。
    • 正常分娩においては、自律して専門的なケアを提供できる。
  • 大変さ:
    • 夜勤やオンコールが多く、不規則な勤務になりやすい。
    • 緊急時の対応など、精神的・肉体的な負担が大きい。
    • 母子の生命に関わるため、常に高い緊張感と責任感が求められる。
    • 医療訴訟のリスクも考慮する必要がある。

自分に合った職種を選ぶために

薬剤師と助産師、どちらの仕事も社会にとって不可欠であり、大きなやりがいを感じられる専門職です。給料は重要な選択基準の一つですが、それだけで決めるのではなく、以下の点も考慮して、自分に合った道を選ぶことが大切です。

  • 仕事内容への興味・関心: 自分が心から情熱を注げる分野はどちらか。
  • 適性: 求められる知識、技術、コミュニケーション能力、体力、精神力などが自分に合っているか。
  • 価値観: 人の役に立ちたいという思いを、どのような形で実現したいか。
  • キャリアプラン: 将来的にどのような専門性を身につけ、どのような働き方をしたいか。
  • ライフプラン: 結婚、出産、育児といったライフイベントと仕事をどのように両立していきたいか。

情報収集の方法としては、現役の薬剤師や助産師に話を聞いてみたり、病院や助産所のインターンシップや見学会に参加してみたりするのも有効です。

まとめ

薬剤師と助産師は、どちらも国家資格を必要とする専門性の高い医療専門職であり、その給料水準は一般的に日本の平均年収と比較して高い傾向にあります。両者の平均給与を単純比較すると、統計データによっては近い水準であったり、助産師の方がやや高い傾向が見られたりすることもありますが、これは夜勤手当や業務の特殊性などが影響していると考えられます。個々の給与は、勤務先、経験年数、役職、専門性、働き方など多くの要因によって大きく変動します。

給料という側面だけでなく、仕事内容、求められるスキル、働きがい、大変さ、そして自身の適性や価値観、将来のキャリアプランなどを総合的に比較検討し、自分にとって本当にやりがいを感じられ、長く続けられる道を選ぶことが何よりも重要です。この記事が、薬剤師と助産師という二つの素晴らしい職業について理解を深める一助となれば幸いです。

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黒岩満(くろいわみつる)
黒岩満(くろいわみつる)
キャリアアドバイザー
専門職の就職・転職活動を支援しています。求職者に対して、求人情報の提供、応募書類の添削、面接対策、キャリアプランの作成など、様々なサポートを行っています。好きな漫画は、ブラック・ジャック。
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