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20代薬剤師の給料はどれくらい?初任給から年収アップのポイントまで徹底解説

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薬剤師としてのキャリアをスタートさせたばかりの20代の皆さんにとって、給料は将来設計を考える上で非常に重要な関心事の一つでしょう。「20代の薬剤師の給料って実際のところどうなんだろう?」「同期と比べて多いのか少ないのか気になる」「これからどうすれば給料を上げていけるのだろうか?」といった疑問や期待、不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、20代薬剤師の給料の一般的な傾向や、勤務先による違い、そして将来的な収入アップを目指すための具体的なポイントについて、詳しく解説していきます。

20代薬剤師の給料の一般的な傾向

まず、20代薬剤師の給料が全体としてどのような水準にあるのか、一般的な傾向を見ていきましょう。

  • 新卒薬剤師の初任給: 6年制薬学部を卒業した新卒薬剤師の初任給は、勤務先の種類や地域によって異なりますが、月収で見ると一般的な大卒初任給と比較してやや高い水準からスタートすることが多いようです。年収に換算すると、350万円~450万円程度が一つの目安となるでしょう。
  • 20代前半と20代後半での給与水準の違い: 薬剤師として数年の経験を積むと、スキルアップや任される業務範囲の拡大に伴い、徐々に給与も上昇していくのが一般的です。20代後半になると、昇給や役職手当(管理薬剤師など)がつくことで、20代前半よりも年収が数十万円から百万円以上アップするケースも見られます。
  • 同年代の他の職種との比較: 薬剤師は国家資格を持つ専門職であるため、同年代の他の一般的な職種と比較すると、平均給与は高い傾向にあります。これは、専門知識や責任の大きさが給与に反映されている結果と言えるでしょう。

ただし、これらはあくまで全国的な平均値や一般的な傾向であり、個々の薬剤師の給料は、勤務先の経営状況、本人の能力や実績、働き方などによって大きく変動します。

20代薬剤師の給料に影響を与える主な要因

20代薬剤師の給料は、以下のような様々な要因によって左右されます。

  • 勤務先の種類:
    • 調剤薬局: 最も一般的な勤務先の一つです。初任給は平均的な水準ですが、かかりつけ薬剤師としてのスキルや在宅医療への関与などで評価が変わることもあります。
    • ドラッグストア: 調剤業務に加え、OTC医薬品の販売や店舗運営業務も担うことがあります。一般的に調剤薬局と比較して初任給が高めに設定されている傾向がありますが、その分、業務範囲が広く、土日祝勤務やシフト制が多いことも考慮が必要です。
    • 病院・クリニック: 高度な専門知識やチーム医療への貢献が求められます。初任給は薬局やドラッグストアと比較してやや低い傾向も見られますが、専門薬剤師への道が開けていたり、教育体制が充実していたりするメリットがあります。
    • 製薬会社(MR、研究開発など): 新薬の開発や情報提供に携わります。一般的に給与水準は非常に高いですが、採用基準も高く、成果主義の傾向が強いです。
    • 公務員薬剤師: 国や地方自治体で働く薬剤師です。給与は公務員の規定に基づいており安定していますが、民間企業と比較すると初任給は低い場合があります。
  • 雇用形態: 正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、雇用形態によって給与体系(月給制、時給制など)や賞与の有無、福利厚生が異なります。
  • 勤務地域: 都市部と地方では、薬剤師の需要や物価水準が異なるため、給与にも差が出ることがあります。一般的に、薬剤師が不足している地方では、人材確保のために都市部よりも高い給与水準や手厚い福利厚生を提示するケースが見られます。
  • 企業規模: 大手企業か中小企業かによって、給与水準や昇給制度、福利厚生の充実度が異なる場合があります。大手企業の方が初任給は平均的でも、その後の昇給やキャリアパスが明確であることも多いです。
  • 学歴: 薬剤師は6年制薬学部卒業が基本ですが、大学院(修士・博士課程)を修了している場合、特に製薬会社での研究開発職などでは、初任給やその後のキャリアにおいて有利になることがあります。
  • 残業時間や夜勤・休日勤務の有無: これらの時間外勤務に対する手当が、月々の給与や年収に大きく影響します。

勤務先別に見る20代薬剤師の給料と働き方の特徴

20代の薬剤師が働く主な職場と、それぞれの給料や働き方の特徴をもう少し詳しく見てみましょう。

調剤薬局

  • 働き方: 地域医療の第一線として、患者さん一人ひとりに寄り添った服薬指導やかかりつけ薬剤師としての役割が求められます。在宅医療に力を入れている薬局も増えています。
  • 給料・キャリア: 初任給は標準的ですが、経験を積んで管理薬剤師や薬局長、複数の店舗を統括するエリアマネージャーなどにステップアップすることで、給与の大幅な向上が期待できます。中小規模の薬局では、経営者の右腕として活躍する道も。

ドラッグストア

  • 働き方: 調剤業務に加え、OTC医薬品や健康食品、日用品などのカウンセリング販売、商品管理、店舗運営業務など、幅広い業務に携わります。コミュニケーション能力や販売スキルも重要になります。
  • 給料・キャリア: 一般的に初任給が高めに設定されていることが多く、若いうちから店長などの役職に就くチャンスもあります。マネジメント経験を積みたい、多角的なスキルを身につけたいという20代には魅力的な選択肢です。

病院

  • 働き方: 入院患者さんや外来患者さんへの薬物療法全般に関わり、医師や看護師など多職種と連携するチーム医療の中心メンバーとして活躍します。急性期医療から慢性期医療、専門領域(がん、感染制御、緩和ケアなど)まで、幅広い経験を積むことができます。
  • 給料・キャリア: 初任給は他の業態と比較してやや低い傾向があるものの、専門薬剤師や認定薬剤師の資格取得支援制度が充実している病院が多く、専門性を高めることでキャリアアップと収入アップを目指せます。教育体制が整っているため、基礎からしっかりと学びたい20代に適しています。

製薬会社

  • 働き方: MR(医薬情報担当者)として医療従事者に医薬品情報を提供したり、研究開発職として新薬創製に携わったり、学術部門で専門情報の発信を担ったりと、職種は多様です。高い専門性と成果が求められます。
  • 給料・キャリア: 全体的に給与水準が非常に高く、特にMRは成果に応じたインセンティブ(報奨金)が大きいため、20代でも高収入を得られる可能性があります。ただし、競争も激しく、高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、語学力などが求められます。

20代薬剤師が給料を上げるための具体的な方法

20代は、将来のキャリアと収入の基盤を築くための重要な時期です。給料を上げていくためには、以下のような具体的な行動を意識しましょう。

  • スキルアップと経験を積む:
    • 調剤スキル・服薬指導スキルの向上: どんな職場でも基本となるスキルです。正確かつ迅速な調剤、患者さんに寄り添った分かりやすい服薬指導を心がけましょう。
    • コミュニケーション能力の強化: 患者さんだけでなく、医師や看護師、他の薬剤師との円滑な連携は不可欠です。
    • 専門知識の深化: 在宅医療、無菌調製、特定の疾患領域(がん、糖尿病、精神科など)に関する知識を深めることで、より専門性の高い業務を任されるようになります。
  • 資格取得:
    • 研修認定薬剤師: かかりつけ薬剤師の要件の一つであり、自己研鑽の証となります。更新制なので継続的な学習が必要です。
    • 認定薬剤師・専門薬剤師: がん専門薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、感染制御専門薬剤師など、特定の分野での専門性を証明する資格です。資格手当の対象となったり、キャリアアップに繋がったりすることが期待できます。20代のうちから目標を設定し、計画的に取得を目指しましょう。
  • キャリアアップ:
    • 管理薬剤師・薬局長を目指す: 店舗運営やスタッフ管理といったマネジメントスキルを磨き、責任ある立場に就くことで、役職手当などがつき給与が大幅にアップします。
  • 転職:
    • より待遇の良い職場へ: ある程度の経験を積んだ後、現在の職場よりも給与水準の高い職場や、自分のスキルをより高く評価してくれる職場へ転職するのも有効な手段です。
    • 給与水準の高い業界への挑戦: 製薬会社など、一般的に給与水準が高いとされる業界へのキャリアチェンジも選択肢の一つです。
    • 薬剤師不足の地域へのUターン・Iターン: 地方では、都市部よりも好条件で薬剤師を募集している場合があります。
  • 副業:
    • 薬剤師としての知識や経験を活かせる副業(例:医療系記事の執筆、オンライン健康相談、セミナー講師など)を、本業に支障のない範囲で行うことで、収入源を増やすことも可能です。

20代のうちに考えておきたいキャリアプランと給料

20代は、薬剤師としてのキャリアの方向性を定める上で非常に大切な時期です。目先の給料だけでなく、長期的な視点を持つことが重要になります。

  • 将来の目標設定: 将来、どのような薬剤師になりたいのか(例:専門性を極めたい、マネジメントに携わりたい、地域医療に貢献したい、研究開発に関わりたいなど)、具体的な目標を持つことで、今何をすべきかが見えてきます。
  • ライフプランとの両立: 結婚や出産、育児といったライフイベントと仕事をどのように両立させていきたいか、早い段階から考えておくことが大切です。育児支援制度の充実した職場や、柔軟な働き方が可能な職場を選ぶことも視野に入れましょう。
  • 給与以外の価値観も大切に: 給料の高さは魅力的な要素ですが、仕事のやりがい、職場の雰囲気、人間関係、教育制度、ワークライフバランスなど、自分にとって何が大切なのかを総合的に考えることが、満足のいくキャリアに繋がります。
  • 長期的な収入とキャリア形成: 初任給が高い職場でも、その後の昇給率が低かったり、キャリアアップの道が限られていたりする場合があります。逆に、初任給は平均的でも、専門性を高めることで将来的に大幅な収入アップが見込める職場もあります。長期的な視点でキャリアと収入を捉えましょう。

まとめ

20代薬剤師の給料は、勤務先の種類、地域、経験、スキル、そして働き方によって様々ですが、他の多くの職種と比較して恵まれたスタートを切ることが多いと言えます。しかし、それに甘んじることなく、若いうちから将来を見据えたスキルアップや経験を積むことが、その後のキャリアと収入を大きく左右します。

専門性を高め、コミュニケーション能力を磨き、計画的なキャリアプランを立てることで、20代の薬剤師も着実に収入アップを目指すことが可能です。給料という側面だけでなく、仕事のやりがいや自身の成長、そしてライフワークバランスを大切にしながら、充実した薬剤師人生を歩んでください。この記事が、20代薬剤師の皆さんのキャリア選択の一助となれば幸いです。

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黒岩満(くろいわみつる)
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キャリアアドバイザー
専門職の就職・転職活動を支援しています。求職者に対して、求人情報の提供、応募書類の添削、面接対策、キャリアプランの作成など、様々なサポートを行っています。好きな漫画は、ブラック・ジャック。
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