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薬剤師の面接、「短所」をどう伝える?好印象を与える回答戦略とNG例

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薬剤師の採用面接で、「あなたの短所は何ですか?」という質問は、多くの応募者がどのように答えるべきか悩むものの一つではないでしょうか。自分の弱みを話すことに抵抗を感じるかもしれませんが、実はこの質問は、あなたの自己認識力や成長性、誠実さをアピールできる絶好の機会でもあります。

この記事では、薬剤師の面接で「短所」について聞かれた際に、面接官に好印象を与え、かつ自分自身を正直に表現するための効果的な伝え方、NGな回答例、そして具体的な回答例と考え方まで、詳しく解説します。この質問を乗り越え、面接成功に繋げましょう。

なぜ面接で「短所」を聞かれるのか?企業が見ているポイント

まず理解しておきたいのは、企業がなぜ応募者の「短所」について質問するのか、その意図です。面接官は、あなたの回答から以下のような点を見極めようとしています。

  • 自己認識力: 自分自身の長所だけでなく、弱みや課題を客観的に把握できているか。
  • 誠実さと素直さ: 自分の短所を正直に認め、それと向き合おうとする姿勢があるか。
  • 課題解決能力と成長意欲: 認識している短所に対して、どのように改善しようと努力しているか、具体的な行動や意識の変化が見られるか。そこから成長のポテンシャルを測ります。
  • ストレス耐性や柔軟性: 困難な状況や自身の弱みに直面した際に、どのように対処しようとするか。
  • 企業文化や職務への適合性: 応募者の短所が、薬剤師としての業務遂行やチームワークに致命的な影響を与えないか、企業の求める人物像と大きくかけ離れていないか。

つまり、単に「欠点」を知りたいのではなく、あなたが自分自身をどれだけ理解し、課題に対してどう向き合い、成長していける人材なのかを見ているのです。

薬剤師の面接で伝える「短所」の選び方 – 3つの視点

どのような短所を伝えるべきか悩むところですが、以下の3つの視点を参考に選んでみましょう。

視点1:薬剤師の業務に致命的な影響を与えないか

薬剤師は人の生命や健康に関わる責任の重い仕事です。そのため、「時間にルーズで遅刻が多い」「不注意でミスを繰り返してしまう」「責任感がない」といった、薬剤師としての適性を根本から疑われるような短所は避けるべきです。また、「コミュニケーションが極端に苦手で人と話せない」といった内容も、患者さんや他職種との連携が不可欠な薬剤師業務においては不適切と言えるでしょう。

視点2:改善努力や成長に繋げられるか

伝える短所は、現在それを克服するために努力していることや、意識して改善に取り組んでいることをセットで話せるものが理想です。例えば、「心配性なところがありましたが、その分、確認作業を徹底することでミスを防ぎ、最近では事前準備をしっかり行うことで自信を持って業務に取り組めるようになってきました」というように、具体的な改善行動とポジティブな変化を伝えられると良いでしょう。

視点3:長所の裏返しとして表現できるか(必ずしも必須ではないが有効な場合も)

これはテクニックの一つですが、短所が長所の裏返しでもあると説明できると、多面的な自己理解力を示すことができます。ただし、無理にこじつける必要はありません。

例えば、「一つのことに集中しすぎるあまり、周りが見えなくなることがある」という短所は、「物事に深く没頭できる集中力がある」という長所の裏返しと捉えられます。その上で、「視野が狭くならないよう、定期的に進捗を確認し、周囲の意見も聞くように意識しています」と改善努力を添えれば、より建設的な印象になります。

好印象を与える「短所」の伝え方 – 基本構成とポイント

短所を伝える際は、以下の基本構成とポイントを意識すると、面接官に効果的に伝わります。

基本構成(PREP法などを意識)

  1. 結論(Point): まず、自分の短所は何かを簡潔に述べます。「私の短所は〇〇なところです。」
  2. 理由・具体的なエピソード(Reason/Example): その短所を自覚したきっかけや、具体的な経験などを簡潔に説明します。長々と話す必要はありません。
  3. 改善のための具体的な行動・努力(Point/Progress): その短所を克服・改善するために、現在どのような意識を持ち、具体的にどのような行動を取っているのかを述べます。
  4. 結論・ポジティブな締め(Point): その努力の結果、どのように改善されてきているか、または今後その経験をどのように活かしていきたいかなど、前向きな言葉で締めくくります。

伝える際のポイント

  • 正直かつ前向きに: 嘘をついたり、取り繕ったりするのは避け、正直に伝えましょう。ただし、ネガティブな表現に終始するのではなく、あくまで改善しようとする前向きな姿勢を示すことが重要です。
  • 具体性を持たせる: 抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードや改善行動を交えることで、話に説得力が増します。
  • 改善意欲を明確に示す: 「〇〇を意識しています」「〇〇に取り組んでいます」など、現在進行形で改善に努めていることを伝えましょう。
  • 長々と話さず簡潔に: ダラダラと話すと要点がぼやけてしまいます。1分~2分程度で簡潔にまとめることを心がけましょう。

【薬剤師向け】「短所」の回答例と考え方(改善策とセットで)

ここでは、薬剤師の面接で伝えやすい短所の例と、その伝え方の考え方をご紹介します。必ず改善策とセットで伝えるようにしましょう。

例1:「心配性なところがあります」

  • 考え方: 薬剤師業務においては、慎重さや丁寧な確認作業に繋がるポジティブな側面も持ち合わせています。ただし、過度な心配は業務効率を低下させる可能性も。
  • 伝え方のポイント: 「私の短所は、時に心配性になりすぎるところです。例えば、新しい業務に取り組む際など、細部まで気になり準備に時間をかけすぎてしまうことがありました。しかし、この性格は薬剤師として必要な慎重な確認作業を怠らないという点では役立っていると認識しています。現在は、事前にしっかりと計画を立て、優先順位をつけて効率的に業務を進めること、また、経験を積むことで自信を深め、過度な心配に捉われすぎないよう意識して取り組んでいます。」

例2:「物事に集中しすぎることがあります」

  • 考え方: 一つのことに深く取り組める集中力は長所でもありますが、周りが見えなくなったり、他の業務への切り替えが遅れたりする可能性も示唆します。
  • 伝え方のポイント: 「私の短所は、一つの業務に集中しすぎると、時に視野が狭くなってしまうことがある点です。以前、〇〇の業務に没頭するあまり、他のスタッフへの情報共有が遅れてしまった経験があります。この経験から、現在は定期的に業務の進捗状況を確認し、周囲の状況にも気を配ること、また、タスクごとに時間を区切って取り組むことで、バランス良く業務を進めるよう心がけています。」

例3:「時に慎重になりすぎ、判断に時間がかかることがあります」

  • 考え方: 正確性を期す姿勢は薬剤師にとって重要ですが、迅速な判断が求められる場面で対応が遅れるのは課題です。
  • 伝え方のポイント: 「私の短所は、正確性を重視するあまり、時に判断に時間がかかってしまうことがある点です。特に緊急性の高い問い合わせを受けた際、情報を集め吟味するのに時間を要してしまうことがありました。現在は、日頃から最新の知識を習得し、判断基準を明確にしておくこと、また、緊急時には経験豊富な先輩薬剤師に迅速に相談し指示を仰ぐなど、状況に応じた適切なスピードで判断できるよう意識して業務に取り組んでいます。」

例4:「お人好しで、頼まれると断れないことがあります」

  • 考え方: 協調性があり、人の役に立ちたいという気持ちの表れですが、自身の業務キャパシティを超えてしまうリスクがあります。
  • 伝え方のポイント: 「私の短所は、人に頼まれると断れない、いわゆるお人好しな面があるところです。以前は、自分の業務が立て込んでいるにも関わらず依頼を引き受けてしまい、結果的に残業が増えてしまうことがありました。現在は、まず自身の業務の優先順位をしっかりと把握し、安易に引き受けるのではなく、状況によってはお断りすることや、他のメンバーに対応をお願いするなど、チーム全体で効率的に業務を進められるよう調整することを心がけています。」

例5:「目標達成への意識が強すぎるあまり、周囲に厳しくなってしまうことがあります」 (特にリーダー経験者など)

  • 考え方: 高い目標意識や責任感は素晴らしいですが、チームワークを損なう可能性も。
  • 伝え方のポイント: 「私の短所は、目標達成への意識が強いあまり、時に自分だけでなく周囲にも高いレベルを求めてしまい、厳しく接してしまうことがある点です。以前、チームでプロジェクトを進めた際、進捗が思わしくないメンバーに対して厳しい言葉をかけてしまったことがありました。その反省から、現在は相手の立場や状況を十分に理解し、共感すること、そして一方的に要求するのではなく、共に目標達成に向けてどうすれば良いかを一緒に考え、サポートするようなコミュニケーションを心がけています。」

薬剤師の面接で伝えるべきではないNGな「短所」

以下のような短所は、薬剤師としての適性を疑われたり、自己分析能力が低いと判断されたりする可能性があるため避けましょう。

  • 薬剤師の適性を根本から疑われるもの:
    • 「時間にルーズで、よく遅刻します」
    • 「約束を守るのが苦手です」
    • 「責任感があまりありません」
    • 「不注意で、よくケアレスミスをします」(改善努力に触れない場合)
    • 「人とコミュニケーションを取るのが極端に苦手です」(薬剤師業務に支障が出るレベルで、改善の意欲がない場合)
    • 「向上心がなく、新しいことを学ぶのが嫌いです」
  • 改善の意思や具体的な行動が見られないもの: 短所を述べるだけで、それをどう改善しようとしているのかが伝わらない場合。
  • 「短所はありません」という回答: 自己分析ができていない、あるいは傲慢な印象を与えてしまいます。誰にでも改善すべき点はあるはずです。
  • 身体的な特徴や、本人の努力ではどうにもならないこと: これらは「短所」として話す内容ではありません。
  • 嘘や明らかに自分を取り繕った内容: 面接官は見抜きますし、誠実さに欠ける印象を与えます。

「短所」に関する深掘り質問に備える

あなたの短所について伝えた後、面接官からさらに深掘りする質問をされることもあります。例えば、以下のような質問です。

  • 「その短所によって、過去に具体的にどのような失敗経験がありますか?」
  • 「短所を克服するために、現在あなたが最も意識して取り組んでいることは何ですか?」
  • 「周りの人(友人や同僚など)から、あなたのその短所について何か指摘されたことはありますか?その時どう感じましたか?」

これらの深掘り質問に対しても、慌てずに、自己紹介で述べた内容と一貫性を持ち、誠実かつ具体的に答えられるように準備しておきましょう。

「短所」を伝えることは、自分を成長させる機会

薬剤師の面接で「短所」について話すことは、決してネガティブなことばかりではありません。むしろ、自分自身の弱さと真摯に向き合い、それを改善しようと努力している前向きな姿勢を示すことで、あなたの人間的な深みや成長の可能性をアピールできる貴重な機会です。

面接を通じて自己理解をさらに深め、あなたの「短所」さえもポジティブなアピールに繋げ、薬剤師としての輝かしい未来を掴み取りましょう。あなたの面接が成功することを心から応援しています。

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