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薬剤師の年収と学歴:高卒で目指せる道はある?

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「薬剤師の年収」と「高卒」というキーワードを一緒に検索される方がいらっしゃいます。薬剤師という専門職に関心をお持ちである一方で、学歴要件について正確な情報をお探しなのかもしれません。この記事では、まず現在の薬剤師になるための学歴要件を明確にし、その上で、高卒から医薬品や薬局関連の仕事に就くための道や、それぞれの年収の一般的な傾向について解説します。

薬剤師になるための現在の学歴要件

結論から申し上げますと、現在の日本の制度では、高校卒業の学歴のみで薬剤師になることはできません。

薬剤師になるためには、以下の二つの条件を満たす必要があります。

  1. 6年制薬学部の卒業: 大学の薬学部で6年間の専門課程を修了し、卒業することが必須です。
  2. 薬剤師国家試験の合格: 薬学部卒業(または卒業見込み)の資格を得た上で、年に一度実施される薬剤師国家試験に合格しなければなりません。

この国家試験に合格し、薬剤師名簿に登録されることで、初めて薬剤師として働くことができます。したがって、最終学歴が高校卒業の場合は、まず大学の薬学部に入学し、6年間学ぶことが薬剤師への第一歩となります。

「高卒で薬剤師」というキーワードで検索される背景(推測)

「高卒で薬剤師」というキーワードで情報を探される背景には、いくつかの理由が考えられます。

  • 過去の制度との混同: 以前は4年制の薬学部卒業でも薬剤師国家試験の受験資格が得られた時代がありました。さらに遡れば、旧制の薬学専門学校なども存在しました。そうした過去の制度と現在の制度を混同されている可能性があります。
  • 薬局や医薬品に関わる他の職種との混同: 薬局やドラッグストアでは、薬剤師以外にも様々な職種の人が働いています。これらの職種の中には、高卒から目指せるものもあるため、薬剤師と混同されているのかもしれません。

高卒から目指せる医薬品・薬局関連の仕事と年収の傾向

高校卒業から医薬品や薬局関連の仕事に就きたいと考えた場合、薬剤師とは異なりますが、以下のような職種が選択肢として考えられます。それぞれの仕事内容と年収の一般的な傾向を見ていきましょう。

  • 登録販売者:
    • 仕事内容: ドラッグストアや薬局などで、一般用医薬品(第2類・第3類医薬品)の販売や相談業務を行います。お客様の症状を聞き、適切な薬を提案する専門職です。
    • 資格取得: 受験資格に学歴要件はなく、実務経験などの要件を満たせば誰でも受験可能です。合格後、都道府県知事の登録を受けることで資格が得られます。
    • 年収の傾向: 正社員の場合、一般的に年収300万円~400万円程度が目安とされています。資格手当が付くことが多く、店長などの役職に就くことで年収アップも期待できます。薬剤師と比較すると年収は低い傾向にありますが、医薬品に関わる専門職として活躍できます。
  • 調剤事務:
    • 仕事内容: 調剤薬局で、患者さんの受付、処方箋の入力、レセプト(調剤報酬明細書)の作成・請求、会計、薬剤師の補助業務などを行います。薬局の円滑な運営を支える重要な役割です。
    • 必要なスキル: 資格が必須ではありませんが、医療保険制度や調剤報酬に関する知識、レセコン操作スキルなどがあると有利です。民間資格も多数存在します。
    • 年収の傾向: 正社員の場合、一般的に年収250万円~300万円程度が目安とされています。経験やスキル、勤務地域によって異なります。
  • ドラッグストアの店舗スタッフ:
    • 仕事内容: 医薬品(登録販売者の資格があれば)だけでなく、化粧品、日用品、食品などの販売、レジ業務、品出し、商品管理、お客様対応など、店舗運営に関わる幅広い業務を担当します。
    • キャリアパス: 経験を積むことで、フロアリーダー、副店長、店長といった店舗運営の責任者や、本部スタッフ(バイヤー、商品開発など)へとキャリアアップする道もあります。
    • 年収の傾向: 雇用形態(正社員、アルバイト・パート)や役職、勤務先の企業規模によって大きく異なります。正社員の場合、初任給は一般的な小売業と同程度からスタートし、役職が上がるにつれて昇給していく傾向があります。

これらの職種で経験を積みながら、将来的に薬剤師を目指す場合は、改めて大学の薬学部に入学し、6年間の課程を修了する必要があることを理解しておく必要があります。

薬剤師の年収の一般的な傾向(参考情報として)

参考までに、6年制薬学部を卒業し国家試験に合格した薬剤師の年収の一般的な傾向についても触れておきます。薬剤師の年収は、勤務先(調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業など)、経験年数、役職、専門性(認定薬剤師・専門薬剤師資格の有無など)、勤務地域などによって大きく異なります。

一般的に、薬剤師の平均年収は、他の多くの職種と比較して安定しており、専門職としての評価が反映されていると言えるでしょう。勤務先別では、製薬企業などが比較的高く、次いでドラッグストア、調剤薬局、病院といった順になる傾向が見られることもありますが、これはあくまで一般的な傾向であり、個々の企業や医療機関、本人のスキルや実績によって大きく変わります。

将来的に薬剤師を目指したい高卒の方へ

もし、高校卒業後に薬剤師という職業に強い関心を持ち、将来的に目指したいと考えているのであれば、道は閉ざされていません。

  • 薬学部進学への道: 最も一般的なのは、大学入試を経て6年制の薬学部に入学することです。社会人経験を経てから薬学部に入学する「社会人入試」の制度を設けている大学もあります。
  • 経済的な準備: 薬学部の学費は決して安くはありません。奨学金制度の利用や、働きながら学費を準備するなど、経済的な計画も重要になります。

薬剤師になるためには時間と努力、そして経済的な準備が必要となりますが、強い意志があれば実現可能です。

まとめ:薬剤師への道と医薬品業界での多様なキャリア

現在の制度では、高校卒業の学歴のみで薬剤師になることはできません。薬剤師を目指すには、6年制薬学部を卒業し、国家試験に合格する必要があります。

しかし、高卒からでも、登録販売者や調剤事務、ドラッグストアの店舗スタッフとして、医薬品や薬局業務に関わることは可能です。これらの職種で経験を積みながら、将来的に薬剤師を目指すという道も考えられます。

薬剤師の年収は、その専門性や責任の重さを反映したものとなっていますが、それ以上に、人々の健康を守り、社会に貢献するという大きなやりがいのある仕事です。どのようなキャリアパスを選ぶにしても、まずは正確な情報を収集し、自身の目標や適性に合わせて計画的に進んでいくことが大切です。

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黒岩満(くろいわみつる)
黒岩満(くろいわみつる)
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