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薬剤師の履歴書【職歴編】:採用担当者に伝わる!効果的な書き方完全ガイド

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薬剤師の転職・就職活動において、履歴書の「職歴」欄は、あなたのこれまでの経験やスキルを具体的に伝え、採用担当者が自社(自院・自局)で活躍できる人材かどうかを判断する上で非常に重要な項目です。この記事では、薬剤師の皆さんが自信を持って職歴を記載できるよう、基本的な書き方から、様々なケースに応じた具体的な例文、そしてアピールポイントを盛り込むコツまで、分かりやすく徹底解説します。

なぜ薬剤師の履歴書で「職歴」が重要なのか?

まず、薬剤師の採用において、なぜ「職歴」がこれほどまでに重視されるのかを理解しておきましょう。

経験とスキルの証明

職歴は、あなたがこれまでどのような環境で、どのような業務に携わり、どんなスキルを習得してきたかを客観的に示すものです。特に薬剤師は専門職であるため、調剤経験、服薬指導スキル、在宅医療への関与、DI業務の経験など、具体的な業務内容が重視されます。

キャリアパスの提示

これまでの職務経歴は、あなたがどのようなキャリアを歩んできたのか、そして今後どのような方向性を目指しているのかを示唆します。一貫性のあるキャリアや、ステップアップを目指した転職経験は、計画性や向上心のアピールに繋がります。

採用ニーズとのマッチング

採用担当者は、職歴を通じて、あなたが募集しているポジションの業務内容や求めるスキルに合致しているかを確認します。詳細かつ正確な職歴情報は、双方のミスマッチを防ぐために不可欠です。

薬剤師の職歴:基本の書き方とルール

まずは、職歴を記載する上での基本的なルールを押さえましょう。

  • 正確な情報: 勤務した医療機関名(法人名・施設名)、所属部署、役職、在籍期間(入社・退社年月)は正確に記載します。
  • 雇用形態の明記: 「正社員」「契約社員」「パートタイム」など、雇用形態を必ず明記しましょう。
  • 時系列での記載: 一般的には、学歴と同様に古い順に記載しますが、職務経歴書では新しい順に記載することもあるため、応募先の指示や一般的な慣習に従いましょう。履歴書では古い順が一般的です。
  • 「入社」「退社」の正しい使い方:
    • 会社(株式会社、有限会社など)の場合は「入社」「退社」を使用します。
    • 病院や薬局、クリニックなどの医療法人や個人経営の場合は「勤務」「退職」を使用するのがより適切ですが、「入職」「退職」も用いられます。どちらかに統一しましょう。
    • 公務員(国立病院など)の場合は「奉職」「退職」ですが、一般的には「勤務」「退職」でも問題ありません。
  • 在職中の場合の書き方: 現在も勤務している場合は、最後の職歴の退職年月欄に「現在に至る」または「在職中」と記載します。その下に(退職予定日:20××年〇月〇日)と書き添えることも可能です。
  • 簡潔な業務内容: 各職歴の下に、主な業務内容を簡潔に記載します。箇条書きで分かりやすくまとめるのがおすすめです。

基本フォーマット例:

20××年〇月 株式会社〇〇薬局 入社(正社員)
       〇〇店にて調剤業務、服薬指導、OTC販売に従事
20××年〇月 株式会社〇〇薬局 一身上の都合により退社
20××年〇月 医療法人〇〇会 〇〇病院 薬剤部 勤務(正社員)
       病棟薬剤業務、注射薬混合調製、DI業務を担当
20××年〇月 医療法人〇〇会 〇〇病院 一身上の都合により退職

薬剤師の職歴:ケース別・具体的な書き方と例文

薬剤師の勤務先や経験は多岐にわたるため、それぞれのケースに応じた書き方のポイントと例文をご紹介します。

調剤薬局での職歴

  • 担当業務: 調剤業務(内服・外用)、服薬指導、鑑査、薬歴管理(電子薬歴の種類も書くと良い場合がある)、OTC医薬品のカウンセリング、在宅訪問薬剤管理指導などを具体的に記載します。
  • 管理薬剤師経験: 管理薬剤師としての経験がある場合は、その旨と期間、主な職務(医薬品管理、スタッフ教育、店舗運営補佐など)を明記します。
  • 店舗規模や特徴: 1日の平均処方箋枚数、主な応需科目(例:内科、小児科メインなど)、在籍薬剤師数などを補足すると、経験の具体性が増します。

例文:

20××年〇月 株式会社△△ファーマシー 入社(正社員)
       □□薬局(内科・整形外科応需、処方箋枚数 平均80枚/日)に配属
       主な業務:調剤業務、服薬指導、薬歴管理(電子薬歴:〇〇)、
            OTC医薬品販売、在庫管理
20××年〇月 同社 〇〇店 管理薬剤師として勤務
       上記業務に加え、医薬品管理、労務管理、店舗運営補佐に従事
20××年〇月 株式会社△△ファーマシー キャリアアップのため退社

病院での職歴

  • 担当業務: 調剤業務(内服・外用・注射)、病棟薬剤業務(服薬指導、持参薬管理、処方提案など)、注射薬混合調製(TPN、抗がん剤など)、DI(医薬品情報)業務、TDM(薬物血中濃度モニタリング)、治験業務、NST(栄養サポートチーム)やICT(感染制御チーム)などのチーム医療への参加、委員会活動などを具体的に記載します。
  • 診療科: 主に関わった診療科(例:循環器内科、消化器外科など)を記載すると専門性が伝わりやすくなります。
  • 病院の規模や種類: 病床数、急性期病院、慢性期病院、精神科病院、大学病院などの情報も参考になります。

例文:

20××年〇月 医療法人□□会 △△総合病院(病床数300床、急性期)薬剤科 勤務(正社員)
       主な業務:入院・外来調剤業務、注射薬混合調製(抗がん剤含む)、
            病棟薬剤業務(循環器内科担当)、DI業務
20××年〇月 同院 緩和ケアチーム兼任
       上記業務に加え、緩和ケア病棟での服薬指導、疼痛管理サポートに従事
20××年〇月 医療法人□□会 △△総合病院 一身上の都合により退職

ドラッグストアでの職歴

  • 担当業務: OTC医薬品のカウンセリング販売、健康相談、セルフメディケーション支援、調剤併設型の場合は調剤業務や服薬指導も記載します。
  • 店舗運営に関わる業務: 品出し、発注、在庫管理、レジ業務、POP作成など、薬剤師業務以外で店舗運営に関わった経験も、コミュニケーション能力や多角的な視点のアピールに繋がることがあります。どこまで記載するかは応募先の業務内容に合わせて調整しましょう。

例文:

20××年〇月 株式会社〇〇ドラッグ 入社(正社員)
       △△店(調剤併設型)にてOTCカウンセリング販売、健康相談、
       調剤業務、服薬指導、商品管理を担当
20××年〇月 株式会社〇〇ドラッグ 店舗異動のため退社

企業(製薬会社など)での職歴

  • 担当業務: DI(医薬品情報)、学術、臨床開発(CRA、CRCなど)、薬事、安全性情報管理(ファーマコヴィジランス)、MR(医薬情報担当者)など、所属部署と具体的な業務内容を記載します。
  • 貢献内容: プロジェクトへの参加や、業務改善に繋がった具体的な実績があれば簡潔に触れると良いでしょう。

例文:

20××年〇月 〇〇製薬株式会社 入社(正社員)
       学術情報部にて、医療関係者からの問い合わせ対応、
       製品関連資料作成、社内研修講師などを担当
20××年〇月 〇〇製薬株式会社 キャリアチェンジのため退社

パート・アルバイト経験の書き方

正社員と同様に、勤務先、期間、雇用形態、主な業務内容を記載します。週の勤務日数や1日の勤務時間なども補足すると、働き方のイメージが伝わりやすくなります。

「(パートタイム、週3日、1日5時間勤務)」のように記載します。

派遣薬剤師としての職歴

派遣元企業名と、実際に勤務した派遣先施設名を明記します。派遣先ごとに期間と業務内容を記載しましょう。

例:「株式会社〇〇(派遣元)に登録し、下記派遣先にて勤務」

「20××年〇月~20××年〇月 △△薬局にて調剤業務、服薬指導に従事(派遣社員)」

ブランクがある場合の職歴の書き方

正直にブランク期間を記載し、その間に何をしていたか(育児、介護、資格取得のための勉強、ボランティア活動など)を簡潔に添えることができます。自己研鑽に努めていた場合は、その旨を記載することで、学習意欲をアピールできます。

例:「20××年〇月~20××年〇月 出産・育児のため休職(この間、薬剤師会主催のオンライン研修に複数参加)」

転職回数が多い場合の職歴の書き方

転職回数が多いこと自体が必ずしもマイナスになるとは限りませんが、採用担当者に不安を与えないよう、一貫したキャリアプランやスキルアップのための転職であることを示唆できると良いでしょう。短期間で退職した職歴も、基本的には正直に記載します。職務経歴書で、それぞれの転職理由や得られた経験を補足説明することも有効です。

薬剤師の職歴:アピールポイントを盛り込むコツ

単に業務内容を羅列するだけでなく、あなたの強みや貢献を効果的に伝える工夫も大切です。

  • 実績や成果を簡潔に: 「〇〇業務の効率化に貢献」「後輩薬剤師〇名のOJTを担当」「在宅患者数〇名増加に寄与」など、具体的な実績を数値で示せると説得力が増します。ただし、履歴書の職歴欄はスペースが限られているため、詳細は職務経歴書に譲り、ここでは簡潔に触れる程度にしましょう。
  • 習得したスキルを具体的に: 使用経験のある電子薬歴システムの種類(例:Pharnes、Receptyなど)、自動分包機や監査システムの操作スキル、特定の専門知識(例:糖尿病療養指導士、外来がん治療認定薬剤師など)を記載することで、即戦力であることをアピールできます。
  • 職務経歴書との使い分け: 履歴書の職歴欄は、あくまで経歴の概要を伝えるものです。詳細な業務内容、実績、スキル、自己PRは、別途提出する職務経歴書に詳しく記載し、役割分担をしましょう。履歴書には「詳細は職務経歴書をご参照ください」と一言添えるのも良いでしょう。

薬剤師の職歴:よくある質問と注意点

  • 退職理由はどこまで書くべきか? 履歴書には「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。倒産や事業所閉鎖など会社都合の場合は「会社都合により退職」と記載します。より詳細な理由は、面接で尋ねられた際に、ネガティブにならないように説明できるよう準備しておきましょう。
  • 試用期間中に退職した場合の書き方は? 試用期間であっても、職歴として記載するのが基本です。短期間での退職理由は、面接で正直かつ前向きに説明できるようにしておきましょう。
  • 短すぎる職歴は書かなくても良い? 原則として、全ての職歴を記載します。ただし、数日~1ヶ月程度の非常に短いアルバイト経験などで、応募職種と関連性が薄い場合は、省略を検討することもありますが、基本的には正直に記載する方が無難です。判断に迷う場合は、キャリアアドバイザーなどに相談してみましょう。

まとめ:魅力的な職歴で、薬剤師としてのキャリアを切り拓こう

薬剤師の履歴書における「職歴」欄は、あなたのこれまでの歩みと実力を示す重要なアピールポイントです。正確な情報を丁寧に記載することはもちろん、応募先のニーズを理解し、自分の経験やスキルがどのように活かせるのかを効果的に伝えることが、採用を勝ち取るための鍵となります。

この記事を参考に、あなたの薬剤師としての価値が最大限に伝わる職歴欄を作成し、希望するキャリアの実現へと繋げてください。

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黒岩満(くろいわみつる)
黒岩満(くろいわみつる)
キャリアアドバイザー
専門職の就職・転職活動を支援しています。求職者に対して、求人情報の提供、応募書類の添削、面接対策、キャリアプランの作成など、様々なサポートを行っています。好きな漫画は、ブラック・ジャック。
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