2025.06.08

兵庫県庁の薬剤師採用情報｜公衆衛生と県立病院で描くキャリアパス

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薬剤師の資格を活かせる職場は、薬局や病院だけではありません。公務員として、より広い視野から人々の健康に貢献するというキャリアパスも存在します。その代表的な選択肢の一つが、地方自治体である「兵庫県庁」で働くことです。

兵庫県庁の薬剤師には、大きく分けて二つの活躍のフィールドがあります。一つは、県庁の本庁や保健所などで薬事行政や衛生監視を担う**「行政薬剤師」。もう一つは、県立病院の最前線で医療を支える「病院薬剤師」**です。

この記事では、公務員として兵庫県の未来に貢献したいと考える薬剤師の方へ、これら二つのキャリアパスの仕事内容、魅力、そして採用への道筋について詳しく解説します。

Contents

兵庫県庁の薬剤師：2つのキャリアパス

兵庫県が募集する薬剤師職は、主に以下の二つの職務に分かれます。どちらも県民の健康を守るという共通の目的を持ちながら、そのアプローチや日々の業務は大きく異なります。

それぞれの仕事の具体的な内容と魅力を見ていきましょう。

行政薬剤師は、主に兵庫県庁の本庁や、県内各地の健康福祉事務所（保健所）に勤務し、公衆衛生の専門家として行政業務に従事します。目の前の患者さんではなく、社会全体がその仕事の対象となります。

薬事行政・監視指導： 薬局や医薬品販売業、医療機器販売業などに対する許認可や立入検査、指導を行います。医薬品の適正使用や広告の監視も重要な業務です。
食品衛生・環境衛生： 飲食店の営業許可や監視指導、食中毒発生時の調査、水道水の水質検査、旅館や公衆浴場の衛生管理など、県民が安全に暮らすための基盤を守ります。
試験検査業務： 県の検査機関で、流通する医薬品や食品に有害物質が含まれていないか、成分が適正かなどを科学的に分析・検査します。
感染症対策・危機管理： 新型インフルエンザなどの感染症拡大防止策の企画・立案や、災害時の医薬品供給体制の整備など、県民の生命を守る危機管理業務を担います。

行政薬剤師の最大の魅力は、マクロな視点で社会に貢献できることです。自らが関わった施策や指導が、県民全体の健康増進や安全確保に繋がるというスケールの大きなやりがいがあります。また、一般的にワークライフバランスが取りやすく、長期的な視点で安定してキャリアを築けることも大きなメリットです。

兵庫県の病院薬剤師は、県が運営する県立病院（がんセンター、こども病院、災害医療センターなど）に勤務します。公務員という安定した身分でありながら、臨床の最前線で専門性を追求できるのが特徴です。

調剤・製剤業務： 入院・外来患者さんの処方箋に基づく調剤や、抗がん剤・高カロリー輸液などの無菌調製を行います。
病棟薬剤業務： 各病棟に常駐し、患者さんへの服薬指導や副作用のモニタリング、医師への処方提案など、チーム医療の中核メンバーとして活躍します。
専門チームでの活動： 感染制御（ICT）、栄養サポート（NST）、緩和ケアなど、専門チームの一員として薬学的な知識を活かします。
ジョブローテーション： 多様な機能を持つ県立病院間での異動を通じて、がん、小児、救急など幅広い領域の臨床経験を積むことができ、総合的なスキルアップが可能です。

日々進化する医療現場で、自らの専門知識を駆使して患者さんの回復に直接貢献できることが、病院薬剤師の何よりのやりがいです。公的な医療機関の一員として、採算性だけにとらわれず、県民のために質の高い医療を追求できるという使命感も感じられます。

兵庫県庁の薬剤師になるには、県が実施する職員採用試験に合格する必要があります。募集は「薬剤師」という区分で行われ、採用後に本人の希望や適性に応じて、行政部門または病院部門へ配属されるのが一般的です。

応募資格：定められた年齢要件を満たし、薬剤師免許を有する方、または取得見込みの方が対象となります。
選考プロセス（一般的な例）：
1. 申込： 兵庫県の職員採用ウェブサイト等で指定された方法で出願します。
2. 一次選考（筆記試験）： 薬学全般の知識を問う「専門試験」と、公務員として必要な基礎能力を測る「教養試験」や「総合適性検査」が課されます。専門試験では、臨床薬学だけでなく、薬事法規や公衆衛生に関する知識も問われることがあります。
3. 二次選考（人物試験）： 主に個別面接が行われ、志望動機、コミュニケーション能力、公務員としての適性などが総合的に評価されます。「なぜ兵庫県なのか」「行政と病院、どちらに関心があるか」といった質問を通して、人物像が深く見られます。

※試験区分や内容は年度によって変更される可能性があります。必ず「兵庫県職員採用」の公式ページで最新の募集要項をご確認ください。