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薬剤師の採用担当者になったら読むべきガイド|仕事内容から成功のコツまで

kaitori

「来月から、薬剤師の採用を担当してもらうことになった」

「長年、薬剤師の採用を担当しているが、最近うまくいかなくなった」

専門職である薬剤師の採用は、企業の成長を左右する重要なミッションです。しかし、その専門性の高さや売り手市場である現状から、多くの採用担当者が難しさを感じています。採用担当者の役割は、単に人を探してくることではありません。自社の未来を共に創るパートナーを見つけ出し、事業の成長を後押しする、非常にクリエイティブでやりがいのある仕事です。

この記事では、これから薬剤師の採用担当者になる方、そして今まさに採用活動に取り組んでいる方に向けて、仕事の全体像から成功のための具体的なコツまでを詳しく解説します。

薬剤師の採用担当者の主な仕事内容

薬剤師の採用活動は、多岐にわたります。そのプロセスを理解することは、効果的な戦略を立てる第一歩です。仕事内容は大きく「計画」「募集」「選考」「入社後」の4つのフェーズに分けられます。

フェーズ1:採用計画の立案

全ての採用活動の土台となる、最も重要なフェーズです。

  • 現場へのヒアリング: まずは、薬剤師を必要としている薬局や部署の責任者から、現状の課題やどんな人材を求めているかを徹底的にヒアリングします。「欠員補充なのか、増員なのか」「管理薬剤師候補か、一般薬剤師か」「どんなスキルや人柄を求めているか」などを具体的に把握します。
  • 求める人物像(ペルソナ)の設定: ヒアリング内容をもとに、採用したい薬剤師の具体的な人物像を描きます。年齢、経験年数、スキル、価値観などを明確にすることで、その後の採用活動に一貫性が生まれます。
  • 採用手法とスケジュールの決定: 設定したペルソナに最も効果的にアプローチできる採用手法(人材紹介、求人広告など)を選び、いつまでに入社してもらうか、ゴールから逆算して全体のスケジュールを組み立てます。

フェーズ2:母集団形成(募集)

計画に基づき、自社に興味を持ってくれる薬剤師の候補者(母集団)を集めます。

  • 求人情報の作成・公開: 求める人物像に響くよう、仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や働くメリットなどを盛り込んだ魅力的な求人票を作成し、選定した求人媒体へ掲載します。
  • 外部パートナーとの連携: 人材紹介会社のエージェントに求める人物像を正確に伝え、候補者の紹介を依頼します。良好な関係を築くことで、質の高い紹介に繋がります。
  • ダイレクトなアプローチ: 転職潜在層にもアプローチできるダイレクトリクルーティングや、自社主催のイベント、学会への参加などを通じて、企業側から積極的に候補者へコンタクトを取ります。

フェーズ3:選考プロセス

集まった候補者の中から、自社に最もマッチする人材を見極めます。

  • 書類選考・面接: 応募書類の内容確認から、面接の日程調整、実施までを担当します。面接では、候補者のスキルや経験を確認するだけでなく、自社の魅力を伝え、候補者の入社意欲を高める「動機付け(アトラクト)」も重要な役割です。
  • 応募者とのコミュニケーション: 選考途中の進捗連絡や質問への対応など、応募者との丁寧で迅速なコミュニケーションは、企業の印象を大きく左右します。

フェーズ4:内定・入社後フォロー

採用活動の最終段階であり、次の採用へと繋がる大切なフェーズです。

  • 内定通知と条件交渉: 内定の連絡を行い、給与や待遇などの条件を最終的に調整します。
  • 入社手続きとフォロー: 入社に必要な手続きを案内し、内定者が不安なく入社日を迎えられるようサポートします。また、入社後も定期的にコミュニケーションを取り、早期離職を防ぎ、定着を支援することも大切な役割です。

薬剤師採用を成功に導く担当者に求められるスキル

多岐にわたる業務を遂行し、採用を成功させるためには、以下のようなスキルが求められます。

  • 傾聴力とコミュニケーション能力現場が本当に求めていることを引き出す力、候補者の本音や価値観を理解する力、そして自社の魅力を的確に伝える力。採用に関わるすべての人と円滑な関係を築くための基本となるスキルです。
  • マーケティング視点採用は、自社という「商品」を、薬剤師という「顧客」に選んでもらう活動とも言えます。市場(転職市場)を分析し、競合(他の求人)と差別化し、自社の魅力を最大限にアピールするマーケティングの視点が不可欠です。
  • 誠実さとスピード応募者は、複数の企業を同時に検討しているケースがほとんどです。一つひとつの連絡を迅速かつ丁寧に行う誠実な対応は、応募者の信頼と入社意欲を高めます。対応の遅れは、そのまま機会損失に直結すると心得ましょう。
  • 情報収集・分析能力薬剤師の給与相場、有効な求人媒体、競合の採用動向など、採用市場に関する情報を常にアップデートし、自社の戦略に活かす能力が求められます。感覚だけでなく、データに基づいた判断が成功の確度を高めます。

採用担当者が直面しがちな壁と解決のヒント

多くの担当者が共通の悩みを抱えています。ここでは、代表的な課題とその解決に向けたヒントをご紹介します。

壁1:「応募が全く集まらない」

  • ヒント: まずは求人票の内容を見直しましょう。仕事内容の羅列になっていませんか?「どんな人が、どのように活躍できるか」「働くことでどんな未来が待っているか」が伝わる内容になっているかを確認します。また、給与や休日などの労働条件が、地域の相場から大きく離れていないかも重要なチェックポイントです。一つの採用手法に固執せず、複数のチャネルを試すことも有効です。

壁2:「面接には来てくれるが、内定を辞退されてしまう」

  • ヒント: 面接が候補者を「評価する場」だけになっていないか、振り返ってみましょう。面接は、候補者に自社を選んでもらうための「魅力づけの場」でもあります。会社のビジョンを語り、候補者のキャリアプランに寄り添う姿勢を見せることが大切です。また、選考プロセスが長すぎると、候補者の熱意が冷めてしまう原因になります。できるだけスピーディーに進める工夫をしましょう。

壁3:「採用しても、すぐに辞めてしまう」

  • ヒント: 採用段階で、良い面ばかりを伝えすぎてミスマッチが起きていないかを確認します。仕事のやりがいと共に、大変な部分や課題も率直に伝えることで、入社後のギャップを減らすことができます。また、入社後のフォロー体制は万全でしょうか。配属先の責任者と連携し、新しい仲間を組織全体で受け入れ、サポートする文化を醸成することが定着への鍵となります。

まとめ

薬剤師の採用担当者は、薬局や病院の「顔」であり、未来を創るための重要なキーパーソンです。その仕事は決して簡単ではありませんが、自社の成長に直接貢献できる、非常に大きなやりがいのある役割です。

大切なのは、一方的に候補者を「選ぶ」という姿勢ではなく、自社の魅力を伝え、候補者から「選ばれる」存在になるという意識を持つことです。現場スタッフからは頼られるパートナーとして、そして薬剤師からは「この人のもとでなら働きたい」と思われる存在を目指し、日々の活動に取り組んでみてください。その一つひとつの積み重ねが、必ず採用成功へと繋がっていくはずです。

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黒岩満(くろいわみつる)
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