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薬剤師の転職を成功に導く!職務経歴書フォーマット選びと書き方の完全ガイド

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薬剤師の転職活動において、職務経歴書はあなたのスキルや経験を採用担当者に伝えるための非常に重要な書類です。そして、その内容を効果的に伝えるためには、適切な「フォーマット」を選ぶことが不可欠です。この記事では、薬剤師の職務経歴書に適したフォーマットの種類、選び方のポイント、そして各項目をどのように書けば良いのかを詳しく解説します。

なぜ職務経歴書のフォーマットが重要なのか

職務経歴書のフォーマットは、いわばあなたのキャリアを提示する「型」です。適切なフォーマットを選ぶことで、採用担当者はあなたの経歴や強みをスムーズに理解しやすくなります。逆に、読みにくいフォーマットや、アピールポイントが伝わりにくいフォーマットでは、せっかくの経験やスキルも十分に評価されない可能性があります。

特に薬剤師の場合、専門性や経験してきた業務内容(調剤薬局、病院、ドラッグストア、企業など勤務先による違い)を的確に伝えることが求められるため、フォーマット選びは慎重に行う必要があります。

薬剤師の職務経歴書で使われる主なフォーマット

職務経歴書にはいくつかの代表的なフォーマットがありますが、薬剤師の転職活動でよく用いられるのは主に以下のものです。

1. 編年体形式(逆編年体形式が一般的)

**特徴:**職務経歴を時系列に沿って記述する形式です。一般的には、直近の職歴から遡って記述する「逆編年体形式」が多く用いられます。

メリット:

  • キャリアの変遷が分かりやすく、採用担当者にとって最も馴染み深い形式です。
  • これまでの経験を順を追って伝えられるため、成長の過程を示しやすいです。 デメリット:
  • アピールしたい経験が過去の職歴にある場合、目立ちにくいことがあります。
  • 職務経歴にブランク(空白期間)がある場合、それが目立ちやすい傾向にあります。 薬剤師にとっての向き不向き: 多くの薬剤師にとって適した基本的なフォーマットです。特に、これまでのキャリアが一貫している方や、経験が比較的浅い方、新卒に近い方には、キャリアの流れを伝えやすいためおすすめです。

2. キャリア式形式

**特徴:**職務経験を時系列ではなく、業務内容や職務分野、プロジェクト単位などでまとめて記述する形式です。

メリット:

  • 特定の専門性やスキル(例:がん専門薬剤師としての経験、在宅医療における実績など)を強調してアピールできます。
  • 転職回数が多い場合や、職務経歴にブランクがある場合でも、スキルを中心にまとめることでカバーしやすくなります。
  • 多様な業務経験を持つ薬剤師が、それぞれの経験を整理して見せたい場合に有効です。 デメリット:
  • 時系列が分かりにくくなるため、採用担当者がキャリアの全体像を把握しにくい場合があります。
  • どのような経験をいつ積んだのかが不明確になりがちです。 薬剤師にとっての向き不向き: 特定の専門分野での実績を強くアピールしたい薬剤師(例:認定薬剤師、専門薬剤師としての活動、特定の疾患領域における深い知識や経験)、複数の薬局や病院で多様な業務を経験してきた薬剤師、またはキャリアにブランクがあるものの特定のスキルには自信がある薬剤師に向いています。

3. 編年体形式とキャリア式形式の組み合わせ

**特徴:**基本的な職歴は編年体で示しつつ、特筆すべきスキルやプロジェクト経験などをキャリア式で別途まとめる形式です。

**メリット:**両方のフォーマットの利点を活かせます。

**デメリット:**情報量が多くなりすぎないように注意が必要です。

薬剤師におすすめの職務経歴書フォーマットと基本構成

多くの薬剤師の方には、「逆編年体形式」のフォーマットを基本としつつ、自身の強みに合わせて内容を工夫することをお勧めします。薬剤師のキャリアは、勤務先の種別(薬局、病院、企業など)や担当業務によって専門性が分かれるものの、経験年数と共にスキルアップしていく流れが一般的であるため、時系列で示すことで成長の過程を伝えやすいからです。

以下に、逆編年体形式をベースとした薬剤師の職務経歴書の基本的な構成要素(フォーマットの骨子)を示します。

  • 日付・氏名・連絡先
  • 職務要約
  • 職務経歴
    • 会社名(薬局名・病院名・企業名など)
    • 在籍期間
    • 事業内容・従業員数・病床数・処方箋枚数など(勤務先の規模や特徴がわかる情報)
    • 所属部署・役職
    • 業務内容(具体的に)
    • 実績・取り組み(数値化できるものは数値で示す)
  • 活かせる経験・知識・スキル
    • 資格(薬剤師免許、認定・専門薬剤師資格など)
    • 専門分野・得意分野
    • 語学力
    • PCスキル(電子薬歴、調剤システムの使用経験など)
    • その他研修受講歴など
  • 自己PR

【フォーマット項目別】薬剤師の職務経歴書の書き方とポイント

上記の基本構成に沿って、各項目で薬剤師としてどのような情報をどのように記述すれば良いのか、ポイントを解説します。

職務要約

どのようなフォーマットであっても、職務経歴書の冒頭に配置し、これまでの薬剤師としてのキャリア、得意とする業務分野、主な実績、そして応募先でどのように貢献したいかを200~300字程度で簡潔にまとめます。採用担当者が最初に目を通す部分であり、ここで興味を持たせることが重要です。

職務経歴(逆編年体形式を例に)

勤務した会社(薬局・病院・企業など)ごとに、以下の情報を具体的に記述します。

  • 会社名・在籍期間: 正式名称で記載し、在籍期間も正確に年月で記します。
  • 事業内容・規模など:
    • 薬局の場合: 経営母体、店舗の種類(門前、地域密着型など)、主な応需科目、1日の平均処方箋枚数、薬剤師数、導入している調剤システム(電子薬歴の種類など)を記載すると、業務環境が伝わりやすくなります。
    • 病院の場合: 病院名、病床数、機能(急性期、慢性期など)、薬剤部の体制、担当していた業務(病棟業務、外来調剤、DI業務、製剤業務、治験業務など)を具体的に記述します。
    • 企業の場合: 会社名、事業内容、所属部署、担当業務(学術、DI、MR、薬事、研究開発など)を記載します。
  • 業務内容: 調剤業務(内服、外用、注射、TPN・抗がん剤調製など)、服薬指導(患者背景を考慮した指導内容、副作用モニタリング、吸入指導など)、薬歴管理、在庫管理、DI業務、在宅医療(個人宅・施設訪問経験、多職種連携)、かかりつけ薬剤師業務、後輩指導など、担当した業務を具体的に箇条書きで分かりやすく記述します。
  • 実績・取り組み: 「〇〇の改善提案により、薬剤の廃棄ロスを△%削減」「疑義照会により年間約〇件の処方変更提案を行い、薬物治療の安全性向上に貢献」「在宅訪問件数 月平均〇件、〇〇の疾患を持つ患者様のQOL向上に寄与」など、具体的な行動と成果を可能な限り数値で示しましょう。

活かせる経験・知識・スキル

薬剤師としての専門性をアピールする重要な項目です。

  • 資格: 薬剤師免許(取得年月)、認定薬剤師・専門薬剤師資格(がん専門薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、感染制御専門薬剤師、糖尿病療養指導士など)は必ず記載しましょう。
  • 専門分野・得意分野: これまでの経験から得た特定の疾患領域(例:循環器、呼吸器、精神科など)や業務分野(例:無菌調剤、漢方調剤、学校薬剤師業務など)に関する深い知識や経験を記述します。
  • 語学力: 外国人患者への対応経験やTOEICスコアなどを記載します。
  • PCスキル: 電子薬歴の具体的なシステム名や使用経験年数、レセプトコンピューターの操作スキル、Word、Excel、PowerPointなどの習熟度を具体的に記述します。
  • 研修受講歴: 専門性を高めるための研修やセミナーの受講歴もアピールになります。

自己PR

職務経歴だけでは伝えきれない、仕事への取り組み姿勢、価値観、熱意、そして応募先でどのように貢献できるかを具体的に記述します。応募先の理念や方針、求める人物像を理解し、自身の経験や強みと結びつけて書くことが重要です。

職務経歴書フォーマットを選ぶ際の注意点と活用術

  • 応募先に合わせる: 応募する薬局・病院・企業の特性や、募集されている職種の業務内容をよく理解し、最もアピール効果の高いフォーマットを選びましょう。
  • 自身のキャリアに合わせる: ご自身のキャリアの強みやアピールしたいポイントが最も効果的に伝わるフォーマットを選択することが大切です。
  • 見やすさと分かりやすさを重視: どのフォーマットを選ぶにしても、採用担当者が短時間で内容を理解できるように、フォントの種類やサイズ、行間、箇条書きの活用など、レイアウトに最大限配慮しましょう。A4用紙1~2枚、多くても3枚以内にまとめるのが一般的です。
  • テンプレートの活用: Web上には薬剤師向けの職務経歴書フォーマット(テンプレート)が多数提供されています。これらを参考にしつつ、内容は必ずご自身の言葉で具体的に記述し、オリジナルの職務経歴書を作成しましょう。丸写しは厳禁です。
  • 一貫性を保つ: 書類全体でフォーマットや敬語の使い方、文体(です・ます調など)のトーンを統一しましょう。

職務経歴書フォーマットに関するQ&A

Q1. 応募先から指定のフォーマットがある場合はどうすれば良いですか?

A1. 必ずその指定されたフォーマットに従って作成してください。指示に従うことが、基本的なビジネスマナーとして評価されます。

Q2. 手書きの場合のフォーマットはありますか?

A2. 市販の職務経歴書用紙を利用するのが一般的です。もし白紙に書く場合は、パソコンで作成する場合の一般的なフォーマット(項目立てなど)を参考に、読みやすく丁寧に記述しましょう。何よりも丁寧さが重要視されます。

Q3. 職務経歴書の枚数はどのくらいが適切ですか?

A3. 一般的にはA4用紙で1~2枚程度が適切とされています。アピールしたい内容が多い場合でも、多くとも3枚以内に簡潔にまとめるよう心がけましょう。情報が多すぎると、かえって要点が伝わりにくくなることがあります。

まとめ

薬剤師の転職活動において、適切な職務経歴書のフォーマットを選ぶことは、あなたの貴重な経験やスキルを効果的に伝え、採用担当者に良い印象を与えるための第一歩です。編年体形式やキャリア式形式など、それぞれのフォーマットの特徴を理解し、ご自身のキャリアや応募先に最も適したものを選びましょう。

しかし、フォーマットはあくまで情報を整理し提示するための「器」に過ぎません。最も重要なのは、その中に盛り込まれる具体的な内容です。これまでの薬剤師としての経験、培ってきた専門性、そして仕事への熱意を、あなた自身の言葉で誠実に伝えることが、転職成功への鍵となります。

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黒岩満(くろいわみつる)
黒岩満(くろいわみつる)
キャリアアドバイザー
専門職の就職・転職活動を支援しています。求職者に対して、求人情報の提供、応募書類の添削、面接対策、キャリアプランの作成など、様々なサポートを行っています。好きな漫画は、ブラック・ジャック。
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