2025.06.04

【薬剤師パート向け】採用につながる職務経歴書の書き方とアピール術

sho0202

ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方を選びたいと考える薬剤師の方にとって、パートタイムという選択肢は非常に魅力的です。そして、希望する条件でパートの仕事を得るためには、正社員の転職と同様に、質の高い「職務経歴書」の準備が不可欠となります。「パートなのに職務経歴書は必要なの？」と思われるかもしれませんが、あなたのスキルや経験、そして働く意欲を効果的に伝えるために、職務経歴書は重要な役割を果たします。

この記事では、薬剤師がパートとして働くための職務経歴書の書き方について、基本的な構成から項目別の具体的なアピールポイント、そして採用担当者に好印象を与えるためのコツまで、詳しく解説します。

Contents

パート薬剤師の職務経歴書作成の基本
- 記載すべき基本項目
- パート採用担当者が見ているポイント
【項目別】パート薬剤師の職務経歴書の書き方とアピールポイント
パート薬剤師の職務経歴書で好印象を与えるコツ
パート薬剤師の職務経歴書に関するQ&A
まとめ

パート薬剤師の職務経歴書作成の基本

まず、パート薬剤師の職務経歴書を作成する上で押さえておくべき基本事項と、採用担当者がどのような点に注目しているのかを理解しましょう。

記載すべき基本項目

パートタイムの職務経歴書も、基本的には正社員のものと共通する項目が多くありますが、パート特有の情報を加えることがポイントです。

日付・氏名・連絡先: 書類作成日（または提出日）、氏名、連絡可能な電話番号、メールアドレスを明記します。
職務要約: これまでの職務経歴の概要と、パートとしてどのように貢献したいかを200～300字程度で簡潔にまとめます。
職務経歴: 勤務先ごとに、在籍期間、会社（薬局・病院など）概要、雇用形態（「パートタイマー」または「パート」と明記）、担当業務、実績などを記述します。
活かせる経験・知識・スキル: これまでの薬剤師経験で得たスキルや知識、ブランク期間に学んだことなどを記載します。
希望勤務条件: 勤務可能な曜日・時間帯、日数、扶養内勤務の希望など、パートならではの重要項目です。
自己PR: 仕事への意欲や責任感、協調性、パートとして貢献できる点などを具体的に記述します。

パート採用担当者が見ているポイント

パート薬剤師の採用では、主に以下の点が重視されます。

即戦力となるスキル・経験: 限られた時間の中で、すぐに業務に貢献できるか。これまでの調剤経験や服薬指導スキルなど。
勤務条件とのマッチング: 薬局や病院が求める曜日・時間帯と、応募者の希望が合致するか。
柔軟性と協調性: 他のスタッフと円滑に連携し、チームの一員として柔軟に対応できるか。急なシフト変更への対応可能性など。
コミュニケーション能力: 患者さんや他の医療スタッフと適切にコミュニケーションが取れるか。
仕事への意欲と責任感: パートであっても、プロフェッショナルとしての意識を持ち、責任を持って業務に取り組めるか。

これらのポイントを意識し、自身の強みを的確に伝えることが、採用への近道となります。

【項目別】パート薬剤師の職務経歴書の書き方とアピールポイント

各項目で、パート薬剤師としてどのように情報を記述し、アピールすれば良いのか、具体的なポイントを見ていきましょう。

職務要約のポイント

「薬剤師として〇年間、主に調剤薬局にて勤務してまいりました。現在は、育児と両立しながら、週に〇日、〇時～〇時の範囲でパートとして貢献したいと考えております。これまでの調剤業務、服薬指導の経験を活かし、特に〇〇（例：午前中の繁忙時間帯のサポート）でお役に立てると考えております。」のように、パートとしての就業希望であること、これまでの主な経験、貢献できる具体的なスキル、そして勤務可能な時間帯や曜日への言及を簡潔にまとめると良いでしょう。

職務経歴の詳細な書き方

雇用形態の明記: 過去の職歴においても、パートとして勤務していた場合は「パートタイマー」または「パート」と必ず明記しましょう。
勤務日数・時間の記載: 「週3日（月・水・金）、各日9:00～15:00勤務」のように、具体的な勤務パターンを記載すると、採用担当者があなたの働き方をイメージしやすくなります。
担当業務の具体性: 正社員と同様に、どのような業務を担当していたかを具体的に記述します。短期間の勤務であっても、そこで何を行い、何を学んだのかを明確に伝えましょう。
- 例：調剤業務（内服・外用）、鑑査、服薬指導、薬歴管理（電子薬歴〇〇使用経験あり）、OTC相談対応、在庫管理補助など。
- 複数の薬局や病院でパート経験がある場合は、それぞれの勤務先でどのような役割を担い、どのような経験を積んだのかを簡潔にまとめます。
実績のアピール: 短期間の勤務でも、何らかの形で貢献できたことがあれば具体的に記載しましょう。「〇〇業務の効率化に貢献」「繁忙時間帯の調剤業務をサポートし、待ち時間短縮に寄与」など、具体的な行動と結果を示すと効果的です。

活かせる経験・知識・スキルの具体例

薬剤師としてのコアスキル: これまでの経験で培った調剤スキル（一包化、散剤・水剤調製など）、鑑査スキル、服薬指導スキル（特定の疾患領域の指導経験など）、薬歴管理スキルは、パートであっても重要なアピールポイントです。
短時間勤務でも貢献できる専門性: 「午前中の外来ピーク時に迅速かつ正確な調剤で貢献できます」「〇曜日の〇〇科の処方箋が多い日に、これまでの経験を活かせます」など、特定の時間帯や曜日に求められる業務に対応できるスキルをアピールするのも有効です。
コミュニケーション能力・協調性: 他のスタッフと協力して業務を進めるためのコミュニケーション能力や協調性は、パート薬剤師にとっても非常に重要です。
PCスキル: 電子薬歴やレセコンの操作経験があれば、具体的にシステム名を記載しましょう。

希望勤務条件の書き方

採用担当者が最も注目する項目の一つです。具体的かつ正直に記載しましょう。

勤務可能な曜日: 例：「月・水・金曜日勤務希望」「土日いずれか勤務可能」「平日週2～3日」など。
勤務可能な時間帯: 例：「9:00～16:00の間で1日5～6時間程度」「午前中（9:00～12:00）のみ」「17:00以降勤務可能」など。
週の希望勤務日数・総時間: 例：「週3日、合計15時間程度」「週20時間以内」など。
扶養内勤務希望: 該当する場合は「扶養範囲内での勤務を希望します」と明記します。
柔軟性のアピール: 「子供の学校行事等で事前にお休みをいただく場合がありますが、可能な範囲でシフト調整に協力いたします」「月に数回であれば、土曜日の勤務も相談可能です」など、柔軟に対応できる点があれば付記すると好印象です。

自己PRで伝えるべきこと

パートとしてどのように貢献したいか、仕事への意欲や責任感を具体的に伝えましょう。

貢献意欲: 「これまでの調剤経験を活かし、繁忙時間帯の業務をサポートすることで、薬局全体の円滑な運営に貢献したいと考えております」「患者様とのコミュニケーションを大切にし、短時間の関わりであっても、安心感を提供できるような服薬指導を心がけます」など、パートという立場でも積極的に貢献したいという姿勢を示します。
仕事への意欲・責任感: 「薬剤師としての専門性を活かし、責任を持って業務に取り組む所存です」「ブランクはございますが、最新の知識習得にも努めており、一日も早く戦力となれるよう努力いたします」など、プロ意識を持って仕事に取り組む姿勢をアピールします。
協調性: 「他のスタッフの方々と協力し、チームの一員として円滑な薬局運営に貢献したいと考えております」「指示された業務を的確にこなし、周囲との連携を大切に業務を進めます」など、協調性をアピールすることも重要です。
家庭との両立と仕事への想い: 「現在は育児が一段落し、薬剤師として再び地域医療に貢献したいという思いが強くなりました。限られた時間ではありますが、これまでの経験を活かし、貴局のお役に立ちたいと考えております」など、正直な気持ちと仕事への前向きな姿勢を伝えましょう。

パート薬剤師の職務経歴書で好印象を与えるコツ

「パートだから」と遠慮せず、貢献意欲を明確に示す: パートであっても、薬剤師としてのプロ意識を持ち、貢献したいという意欲を伝えることが大切です。
短期間の職歴でも、得たスキルや経験を具体的に記述する: 短い期間の勤務であっても、そこで何を学び、どのようなスキルを身につけたのかを具体的に書くことで、あなたの経験価値が伝わります。
柔軟性や協調性をアピールする: 他のスタッフと協力して働く姿勢や、可能な範囲でのシフト調整への協力意思を示すと、採用担当者に安心感を与えます。
勤務条件は正直かつ具体的に記載する: 後々のミスマッチを防ぐためにも、勤務可能な曜日や時間帯は正直に、そして具体的に記載しましょう。
見やすく丁寧な書類作成を心がける: 誤字脱字がないか、レイアウトは見やすいかなど、基本的なことですが、丁寧な書類作成はあなたの誠実さを伝えます。

パート薬剤師の職務経歴書に関するQ&A

Q1. パートの職歴が多いのですが、すべて書くべきですか？

A1. 基本的にはすべて記載しますが、あまりにも短期間（数ヶ月未満など）で、かつ応募先に活かせる経験が少ない場合は、取捨選択も検討しましょう。ただし、正直に記載することが原則です。職歴が多い場合は、応募先に特に関連性の高い経験を重点的に記述し、他は簡潔にまとめるなど、見やすさを工夫しましょう。

Q2. ブランク期間が長いのですが、どのように書けば良いですか？

A2. 自己PR欄で、ブランク期間中に自己研鑽として取り組んでいたこと（例：薬剤師会の研修参加、オンラインセミナー受講、専門誌の購読など）を具体的に示し、復職への意欲や最新知識のキャッチアップ状況を伝えましょう。「〇年間のブランクはありますが、その間も薬学に関する知識のアップデートに努めてまいりました」といった形で、前向きな姿勢を示すことが大切です。

Q3. 扶養内勤務希望など、伝えにくいことはどのように書けば良いですか？

A3. 「希望勤務条件」の欄に、「扶養範囲内での勤務を希望（年間収入〇〇万円以内）」のように、正直かつ簡潔に記載するのが一般的です。伝えにくいと感じるかもしれませんが、採用側も事前に把握しておきたい情報ですので、明確に伝えることが後のトラブルを防ぎます。

Q4. 自己PRで何をアピールすれば良いか分かりません。

A4. まずは応募先の薬局や病院がどのようなパート薬剤師を求めているのか（例：特定の曜日の繁忙時間帯のヘルプ、専門知識を活かした相談対応など）を考えてみましょう。そして、ご自身の経験やスキルの中から、そのニーズに応えられる点をピックアップし、「短時間でも〇〇で貢献できます」「〇〇の経験を活かして即戦力になれます」といった形でアピールします。