2025.06.04

【薬剤師向け】職務経歴書の書き方と好印象を与える実例集

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薬剤師のあなたが転職を考えた際、採用担当者にあなたの魅力やスキルを効果的に伝えるための最初のステップが職務経歴書の作成です。「どんなことを書けば良いのだろう？」「自分の経験をどうアピールすれば良いか分からない」といった悩みは、多くの薬剤師が抱えるものです。そんな時、具体的な「例」を参考にすることで、作成の方向性が見え、より質の高い書類へと近づけることができます。

この記事では、薬剤師の職務経歴書作成に役立つ多様な実例を紹介するとともに、それらを自身の状況に合わせて活かし、採用担当者の心に残る職務経歴書を作成するためのポイントを分かりやすく解説します。

Contents

薬剤師の職務経歴書の基本構成と「例」を参考にする際の心得
- 職務経歴書の主要項目
- 「例」を活用する上での注意点
【ケース別】薬剤師の職務経歴書実例紹介
実例を参考に、自分の職務経歴書をブラッシュアップする秘訣
職務経歴書の「例」だけでは終わらせない！採用担当者の心をつかむために
まとめ

薬剤師の職務経歴書の基本構成と「例」を参考にする際の心得

まず、職務経歴書がどのような項目で成り立っているのか、そして提示された「例」をどのように活用すべきか、基本的な心構えを確認しましょう。

職務経歴書の主要項目

薬剤師の職務経歴書は、一般的に以下の項目で構成されます。

日付・氏名・連絡先: 書類を提出する日付（または作成日）、氏名、そして確実に連絡が取れる電話番号やメールアドレスを記載します。
職務要約: これまでの職務経歴のハイライトを200～300字程度で簡潔にまとめ、採用担当者の興味を引きます。
職務経歴: 勤務した会社（薬局・病院・企業など）ごとに、在籍期間、事業内容や規模、所属部署や役職、具体的な業務内容、そして達成した実績などを時系列（新しいものから順に書くのが一般的）で記述します。
活かせる経験・知識・スキル: 薬剤師免許はもちろん、専門薬剤師や認定薬剤師などの資格、得意とする疾患領域や業務分野、語学力、PCスキル（電子薬歴の操作経験など）を具体的に列挙します。
自己PR: 職務経歴の項目だけでは伝えきれない、あなた自身の強み、仕事に対する姿勢や価値観、応募先でどのように貢献したいかという熱意を記述します。

「例」を活用する上での注意点

職務経歴書の「例」は、あくまで参考として活用し、以下の点に留意してください。

そのまま使うのではなく、自分の経験に合わせて具体的に記述する: 提示されている「例」は一般的なものです。あなた自身の具体的な経験やエピソード、実績を盛り込み、オリジナルの内容にすることが最も重要です。
応募先の特性や求める人物像を考慮して調整する: 応募する薬局、病院、企業がどのような人材を求めているのかを事前にリサーチし、それに合わせてアピールするポイントや表現方法を調整しましょう。
「例」はあくまで参考として、オリジナリティを出す: 「例」は構成や表現のヒントとして捉え、あなた自身の言葉で、あなたらしさが伝わる職務経歴書を目指しましょう。

【ケース別】薬剤師の職務経歴書実例紹介

それでは、薬剤師のさまざまなキャリアパスや状況に応じた職務経歴書の主要項目の「例」を見ていきましょう。これらはあくまで一例ですので、ご自身の経験や応募先に合わせて自由にカスタマイズしてください。

A. 調剤薬局での実務経験が豊富な薬剤師の例

【職務要約例】
「薬剤師として〇〇年間、調剤薬局業務に従事し、直近の△△薬局では管理薬剤師として店舗運営にも携わってまいりました。幅広い診療科の処方箋応需に加え、在宅医療の推進、かかりつけ薬剤師としての地域活動にも積極的に取り組み、患者様中心の薬局サービス提供に貢献。これまでの経験で培ったマネジメント能力と地域医療への深い理解を活かし、貴局の発展に貢献したいと考えております。」

【職務経歴業務内容例】
（株式会社XX △△薬局 / XXXX年XX月～現在）

役職：管理薬剤師（XXXX年XX月より）
事業内容：調剤薬局（応需科目：内科、循環器科、小児科、在宅医療 / 1日平均処方箋枚数：約XXX枚）
業務内容：
- 調剤業務全般（内服・外用・注射薬、TPN調製）、鑑査、服薬指導、薬歴管理（電子薬歴：〇〇）
- 管理薬剤師業務（医薬品の在庫管理・品質管理、帳票管理、行政対応）
- 在宅訪問薬剤管理指導（個人宅：月平均XX件、施設：月平均X施設担当）
- かかりつけ薬剤師としての患者担当（約XX名）、24時間対応
- 後輩薬剤師（X名）および事務スタッフ（X名）の指導・育成、シフト管理
- 地域ケア会議への参加、近隣医療機関との連携強化
実績：
- 〇〇システム導入による調剤過誤防止策を主導し、過誤件数を前年比XX%削減。
- 在宅医療チームを立ち上げ、地域の医師・訪問看護師との連携体制を構築。

【自己PR 例】
「患者様一人ひとりの状況に合わせた丁寧な服薬指導と、安心感を提供できるコミュニケーションを常に心がけてまいりました。管理薬剤師としては、スタッフが働きやすい環境づくりと業務効率化に努め、チーム全体のモチベーション向上にも貢献できたと自負しております。また、地域医療の一翼を担う薬剤師として、多職種連携の重要性を深く認識しており、貴局においてもこれまでの経験を活かして、質の高い医療サービスの提供と地域住民の健康増進に貢献したいと強く願っております。」

B. 病院勤務経験を持つ薬剤師の例

【職務要約例】
「薬剤師として〇〇年間、△△大学病院薬剤部にて、主に病棟薬剤業務、注射薬混合調製業務、DI業務に従事してまいりました。特に〇〇領域（例：がん、感染制御）の薬物療法に深く関与し、NST（栄養サポートチーム）やICT（感染制御チーム）などのチーム医療にも積極的に参加。〇〇学会での発表経験もございます。貴院の高度専門医療と教育体制に魅力を感じており、これまでの臨床経験と専門知識を活かして貢献したいと考えております。」

【職務経歴業務内容例】
（学校法人XX △△大学病院薬剤部 / XXXX年XX月～XXXX年XX月）

病床数：XXX床
業務内容：
- 〇〇科、△△科病棟における病棟薬剤業務（処方監査、持参薬管理、服薬指導、TDM業務）
- 注射薬混合調製業務（抗がん剤、高カロリー輸液等の無菌調製）
- DI業務（医薬品情報の収集・評価・提供、院内スタッフからの問い合わせ対応）
- NST（栄養サポートチーム）、ICT（感染制御チーム）における薬剤師活動
- 医療安全管理委員会への参加、副作用情報収集・報告
- 薬学生・新人薬剤師の教育・指導
実績：
- 〇〇（薬剤名）の適正使用推進に関するプロトコル作成に参画し、院内採用に貢献。
- XXXX年〇〇学会にて「△△に関する研究」についてポスター発表。

【自己PR 例】
「チーム医療の一員として、医師や看護師など他職種と密に連携を取り、患者様にとって最適な薬物療法を提供することを常に追求してまいりました。特に〇〇領域においては、専門的な知識を深め、エビデンスに基づいた情報提供や処方提案を積極的に行ってきました。貴院のような先進的な医療環境において、これまでの臨床経験と専門性をさらに高め、医療の質の向上と患者様の安全確保に貢献していきたいと考えております。また、後進の育成にも関心があり、教育的な役割も担えれば幸いです。」

C. ドラッグストア（調剤業務あり）でキャリアを積んだ薬剤師の例

【職務要約例】
「薬剤師として〇〇年間、調剤併設型ドラッグストアに勤務し、調剤業務とOTC医薬品のカウンセリング販売の両方に携わってまいりました。地域のお客様の健康相談にも積極的に応じ、セルフメディケーションの推進に貢献。店舗運営にも関わり、〇〇（例：健康フェア）の企画・実施も経験しました。貴社が推進する『地域住民の健康ステーション』としての役割に共感し、これまでの幅広い経験を活かして貢献したいと考えております。」

【職務経歴業務内容例】
（株式会社XX △△ドラッグ / XXXX年XX月～XXXX年XX月）

事業内容：調剤併設型ドラッグストア
業務内容：
- 調剤業務（近隣クリニックからの処方箋応需、1日平均約XX枚）、服薬指導、薬歴管理
- OTC医薬品のカウンセリング販売、健康食品・サプリメントに関するアドバイス
- 健康相談対応、生活習慣病予防に関する情報提供
- 店舗運営補助（商品管理、発注業務、売場レイアウト提案）
- 社内接客コンテストにて〇〇賞受賞（XXXX年）
実績：
- 担当した〇〇（商品カテゴリー）のカウンセリング強化により、当該カテゴリー売上XX%向上に貢献。
- 季節の健康フェアを企画・実行し、前年比XX%の集客増を達成。

【自己PR 例】
「調剤業務で培った医薬品に関する専門知識と、OTC販売を通じて磨いたお客様のニーズを的確に捉えるコミュニケーション能力が私の強みです。お客様が気軽に相談できる親しみやすい雰囲気作りを心がけ、一人ひとりのライフスタイルに合わせた健康サポートを提供することにやりがいを感じてきました。貴社では、これまでの調剤とOTCの双方の経験を活かし、地域のお客様から信頼される薬剤師として、また店舗全体の活性化にも貢献していきたいと考えております。」

D. 企業（製薬会社、CROなど）で活躍した薬剤師の例

【職務要約例】
「薬剤師資格取得後、〇〇株式会社にて〇〇年間、〇〇部門（例：医薬品情報、安全性情報、臨床開発）で勤務してまいりました。主に〇〇業務（例：DI資料作成、副作用情報の収集・評価、プロトコル作成支援）を担当し、医薬品の適正使用推進及び開発に貢献。薬事関連法規やガイドラインに関する深い知識も有しております。これまでの企業での経験と薬剤師としての専門性を活かし、貴社の〇〇業務において貢献したいと考えております。」

【職務経歴業務内容例】
（〇〇株式会社 / XXXX年XX月～XXXX年XX月）

所属：〇〇本部 △△部
業務内容：
- 〇〇（担当領域）におけるDI（医薬品情報）業務全般
  - 学術文献の検索・評価、製品情報概要・FAQ等の作成・改訂
  - 医療従事者からの問い合わせ対応（電話・メール）
  - MR（医薬情報担当者）への製品情報提供・研修資材作成
- 副作用・有害事象情報の収集、評価、データベース入力、当局報告書案作成
- 臨床試験におけるプロトコル作成補助、CRF（症例報告書）の医学的チェック
- 薬事申請資料の一部作成補助
実績：
- 〇〇製品の適正使用情報提供ツールを開発し、医療現場での利用率向上に貢献。
- 新しい副作用情報収集プロセスの導入を提案し、業務効率をXX%改善。

【自己PR 例】
「薬剤師としての臨床的視点と、企業人としてのビジネス感覚をバランス良く持ち合わせている点が私の強みです。複雑な情報を正確かつ分かりやすく伝え、課題解決に向けて多角的にアプローチすることを常に意識してまいりました。また、国内外のレギュレーションや業界動向にも常にアンテナを張り、専門知識のアップデートに努めております。貴社が注力されている〇〇分野は、私がこれまで情熱を注いできた領域であり、即戦力として貢献できると確信しております。これまでの経験を最大限に活かし、貴社の事業発展に貢献したいと考えております。」

E. 第二新卒・実務経験が少ない薬剤師の例

【職務要約例】
「XXXX年XX月に〇〇大学薬学部を卒業し、薬剤師免許を取得いたしました。在学中の実務実習では、△△薬局にて調剤業務の基礎を、□□病院にて病棟業務の一端を経験し、患者様と直接関わることの喜びと責任の重さを学びました。現在は、貴社（貴院・貴局）のような〇〇（応募先の特色）に強い関心を持ち、一日も早く実務を通して専門性を高め、貢献できる薬剤師になることを目指しております。」

【職務経歴例】
（実務実習の経験を中心に記載）

XXXX年XX月～XXXX年XX月：△△薬局（実務実習約XX週間）
- 業務内容：処方箋受付、ピッキング、調剤補助、服薬指導見学、鑑査業務補助、在庫管理体験など
- 学んだこと：患者様とのコミュニケーションの重要性、調剤過誤防止への意識
XXXX年XX月～XXXX年XX月：□□病院薬剤部（実務実習約XX週間）
- 業務内容：注射薬調製見学、持参薬鑑別補助、病棟カンファレンス参加、DI業務体験など
- 学んだこと：チーム医療における薬剤師の役割、多職種連携の実際

【自己PR 例】
「実務経験はまだ浅いですが、新しい知識や技術を積極的に吸収し、何事にも真摯に取り組む意欲は誰にも負けません。実務実習では、指導薬剤師の先生方のご指導のもと、一つでも多くのことを学び取ろうと努力いたしました。特に、患者様の不安に寄り添い、安心感を与えられるようなコミュニケーションを心がけることの大切さを実感しました。貴社（貴院・貴局）で実務経験を積ませていただきながら、常に向上心を持ち続け、一日も早くお役に立てるよう精一杯努力いたします。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」

F. 育児などでブランク期間がある薬剤師の例

【職務要約例】
「薬剤師として〇〇年間、主に調剤薬局にて勤務後、XXXX年より育児のためX年間休職しておりました。休職期間中も、薬剤師会の研修会への参加や専門誌の購読を通じて、最新の薬学知識のアップデートに努めてまいりました。現在は、薬剤師として再び医療現場に貢献したいという強い思いがあり、特に貴局の〇〇（例：子育て支援体制、研修制度）に魅力を感じております。これまでの実務経験とブランク期間に培った学習意欲を活かし、貢献したいと考えております。」

【職務経歴ブランク期間の記載例】

XXXX年XX月～XXXX年XX月：育児のため休職
- 休職期間中の自己研鑽：
  - 〇〇県薬剤師会主催復職支援セミナー受講（XXXX年XX月）
  - オンライン薬学研修（〇〇領域）コース修了（XXXX年XX月～継続中）
  - 薬学雑誌「月刊〇〇」定期購読による最新情報の収集

【自己PR 例】
「X年間のブランクはございますが、薬剤師としての専門知識やスキルを維持・向上させるため、積極的に学習を続けてまいりました。特に、改正された法律や新しいガイドライン、注目される新薬の情報については、常にアンテナを張ってきました。子育てを通じて培った時間管理能力やマルチタスクをこなす力も、今後の業務に活かせると考えております。貴局の充実した研修制度を活用させていただきながら、一日も早く実務に慣れ、チームの一員として貢献できるよう努力いたします。仕事に対する情熱と責任感は以前と何ら変わりありません。」

実例を参考に、自分の職務経歴書をブラッシュアップする秘訣

上記の「例」はあくまで出発点です。あなたの職務経歴書をさらに魅力的なものにするために、以下の点を意識しましょう。

具体的なエピソードを盛り込み、独自性を出す: あなた自身の体験に基づいた具体的なエピソードは、職務経歴書に深みと説得力を与えます。
数値で示せる実績は積極的にアピールする: 「〇〇を改善した」「△△に貢献した」だけでなく、具体的な数値を加えることで、あなたの貢献度がより明確に伝わります。
応募先のニーズと自分の強みをマッチングさせる: 応募先がどのような人材を求めているのかを理解し、あなたのスキルや経験がどのように貢献できるのかを具体的に示しましょう。
前向きで積極的な言葉を選ぶ: あなたの成長意欲や仕事への情熱が伝わるような、ポジティブな言葉遣いを心がけましょう。
レイアウトやフォントにも配慮し、読みやすさを追求する: 採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、見やすいレイアウト、適切なフォントサイズ、箇条書きの効果的な使用などを工夫しましょう。

職務経歴書の「例」だけでは終わらせない！採用担当者の心をつかむために

質の高い職務経歴書を作成することは非常に重要ですが、それだけで転職活動が完結するわけではありません。

添え状（カバーレター）で個別の熱意を伝える: 職務経歴書だけでは伝えきれない、その応募先に対する特別な思いや具体的な志望動機を、添え状で丁寧に伝えましょう。
面接での受け答えを想定して内容を練る: 職務経歴書に記載した内容は、面接でさらに詳しく聞かれることを前提に準備しておきましょう。
転職エージェントに相談し、客観的なアドバイスをもらう: 薬剤師専門の転職エージェントに相談すれば、職務経歴書の添削や、より効果的なアピール方法についてのアドバイスを受けることができます。

まとめ

薬剤師の職務経歴書作成において、具体的な「例」は、どのような情報をどのように配置し、表現すれば良いのかを知るための貴重な羅針盤となります。しかし、最も大切なのは、その「例」を参考にしつつも、あなた自身の経験、スキル、そして仕事への想いを、あなた自身の言葉で誠実に伝えることです。

この記事で紹介した多様な「例」や作成のポイントが、あなたの転職活動の一助となり、自信を持って新たなキャリアへの扉を開くきっかけとなれば幸いです。

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