薬剤師の転職成功へ!すぐに使える職務経歴書テンプレートと書き方のポイント
薬剤師のあなたが転職を考える際、避けて通れないのが職務経歴書の作成です。「何を書けばいいのか分からない」「どう書けば効果的にアピールできるのか」と悩む方も少なくないでしょう。そんな時に役立つのが「テンプレート」です。この記事では、薬剤師向けの職務経歴書テンプレートを提示し、各項目で何をどのように書けば良いのか、具体的な例文を交えながら詳しく解説します。
なぜ薬剤師の職務経歴書にテンプレートが有効なのか
職務経歴書の作成にテンプレートを活用することには、いくつかのメリットがあります。
- 記載すべき基本項目が明確になる: テンプレートには、職務経歴書に必要な基本的な項目が網羅されているため、何から手をつければ良いか分からないという状態を防ぎ、効率的に情報を整理できます。
- 時間を効率的に使える: 構成やレイアウトを一から考える手間が省けるため、内容のブラッシュアップに時間を集中できます。
- 見やすいレイアウトで作成できる: 一般的に見やすいとされるフォーマットになっているものが多いため、採用担当者にとって読みやすい書類を作成しやすくなります。
ただし、テンプレートはあくまで土台です。あなた自身の経験やスキル、応募先の企業や薬局・病院が求める人物像に合わせて内容をカスタマイズすることが、転職成功の鍵となります。
薬剤師向け職務経歴書テンプレート(基本形)
以下に、薬剤師向けの基本的な職務経歴書のテンプレートを示します。これをベースに、ご自身の状況に合わせて調整してください。
職務経歴書
[提出年月日]
氏名:[あなたの氏名]
連絡先
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メールアドレス:XXXXX@XXXXX.com
■職務要約
(ここに200~300字程度で、これまでの職務経歴の概要を記載します)
■職務経歴
[会社名(薬局名・病院名)] (例:株式会社〇〇 △△薬局)
在籍期間:[XXXX年XX月 ~ XXXX年XX月]
雇用形態:[正社員・契約社員・パートなど]
事業内容:[調剤薬局、病院、ドラッグストアなど]
従業員数:[〇〇名] ※任意
主な応需科目/病床数:[内科、小児科など/〇〇床] ※薬局・病院の場合
所属・役職:[薬剤師、管理薬剤師など]
【業務内容】
・[具体的な業務内容1](例:調剤業務(内服・外用・注射剤)、監査業務)
・[具体的な業務内容2](例:服薬指導、薬歴管理(電子薬歴:〇〇システム))
・[具体的な業務内容3](例:在庫管理、医薬品発注業務)
・[具体的な業務内容4](例:DI業務、医師・看護師への情報提供)
・[具体的な業務内容5](例:在宅医療(個人宅〇件/月、施設〇件/月))
・[具体的な業務内容6](例:後輩薬剤師の指導・教育)
【実績・取り組み】
・[具体的な実績1](例:〇〇の提案により、残薬調整で年間約△△円の医療費削減に貢献)
・[具体的な実績2](例:疑義照会件数 月平均〇件、〇〇に関する副作用未然防止に貢献)
[会社名(薬局名・病院名)]
在籍期間:[XXXX年XX月 ~ XXXX年XX月]
(以下同様に記載)
■活かせる経験・知識・スキル
・[資格1](例:薬剤師免許 取得 XXXX年XX月)
・[資格2](例:〇〇認定薬剤師、〇〇専門薬剤師)
・[スキル1](例:英語での服薬指導(TOEIC XXX点))
・[スキル2](例:PCスキル(電子薬歴:△△、〇〇、Word、Excel、PowerPoint))
・[スキル3](例:コミュニケーション能力(患者様、多職種との連携))
・[研修受講歴など](例:〇〇研修修了)
■自己PR
(ここにこれまでの経験で培った強みや、応募先でどのように貢献したいかを具体的に記載します)
以上
注意点: 上記はあくまで基本的なテンプレートです。応募する薬局、病院、企業によってアピールすべきポイントは異なります。必ず応募先の求める人物像を理解した上で、内容を調整(カスタマイズ)してください。
【テンプレート項目別】薬剤師の職務経歴書の書き方と例文
それでは、上記のテンプレートの各項目について、薬剤師がどのように書けば効果的か、具体的なポイントと例文を紹介します。
職務要約の書き方と例文
採用担当者が最初に目を通す部分です。あなたのキャリアの概要と強みを簡潔に伝え、興味を持ってもらうことが重要です。経験年数、得意分野(例:調剤業務、服薬指導、在宅医療、特定の疾患領域など)、主な実績、そして応募先でどのように貢献したいかを200~300字程度でまとめましょう。
- 例文: 「薬剤師として〇〇年間、主に調剤薬局にて勤務し、内科・整形外科領域の処方箋応需と服薬指導、在宅医療業務に携わってまいりました。患者様一人ひとりとの対話を重視し、特に高齢者のポリファーマシー解消に積極的に取り組み、残薬調整による医療費削減に貢献いたしました。貴院の地域包括ケアシステム推進の一翼を担う薬剤師として、これまでの経験で培ったコミュニケーション能力と在宅医療の知識を活かしたいと考えております。」
職務経歴の書き方と例文
勤務先ごとに、在籍期間、会社(薬局・病院)の概要、役職、具体的な業務内容、そして実績を記載します。薬剤師としての専門性が伝わるように、できるだけ具体的に記述しましょう。
- 薬局の場合の記載例(会社概要部分):
- 株式会社〇〇 △△薬局(門前薬局:□□総合病院(内科・外科・小児科)、1日平均処方箋枚数:約〇〇枚、薬剤師数:〇名、事務:〇名、電子薬歴:〇〇)
- 病院の場合の記載例(会社概要部分):
- 医療法人△△会 □□病院(病床数:〇〇床、急性期病院、薬剤部薬剤師数:〇〇名)
- 業務内容の例文:
- 調剤業務:内服薬・外用薬・注射薬の調剤、散剤・水剤・軟膏の混合、一包化(〇〇社の自動分包機使用)、抗がん剤のミキシング(安全キャビネット使用経験あり)、TPN調製
- 服薬指導:患者様の背景や理解度に合わせた説明、副作用モニタリングと医師へのフィードバック、吸入指導、インスリン自己注射指導、お薬手帳の活用推進
- 薬歴管理:電子薬歴システム「〇〇」を使用し、SOAP形式での記録、服薬フォローアップの実施
- 在庫管理:医薬品の発注・検収、品質管理(温度管理、使用期限管理)、不動在庫・デッドストックの削減提案
- DI業務:医師・看護師等からの問い合わせ対応、医薬品情報の収集・評価・提供、院内勉強会の企画・実施
- 在宅医療:個人宅への訪問薬剤管理指導(月平均〇件)、介護施設への訪問(月平均〇施設)、多職種連携カンファレンスへの参加
- かかりつけ薬剤師業務:担当患者様の服薬状況の一元管理、24時間対応体制への参画
- 後輩指導:新人薬剤師へのOJT指導、薬学生実務実習の指導薬剤師
- 実績・取り組みの例文:
- 「患者様への積極的な声かけと残薬確認の徹底により、年間約〇〇万円の薬剤費削減に貢献。」
- 「疑義照会を通じて、〇〇(薬剤名)に関する相互作用のリスクを年間〇件回避。」
- 「〇〇疾患の患者様向け服薬指導資材を作成し、院内で共有。患者様の理解度向上に寄与。」
- 「在宅医療チームの一員として、医師・訪問看護師と連携し、〇〇名の患者様のQOL向上に貢献。」
活かせる経験・知識・スキルの書き方と例文
薬剤師免許はもちろんのこと、専門薬剤師・認定薬剤師資格、特定の疾患領域に関する深い知識、語学力、PCスキル(電子薬歴の操作経験など)、コミュニケーションスキルなどを具体的に記載します。研修受講歴や学会発表経験などもアピールポイントになります。
- 例文:
- 薬剤師免許(取得:XXXX年XX月)
- 緩和薬物療法認定薬剤師(取得:XXXX年XX月)
- 糖尿病療養指導士(CDEJ)
- 実務実習指導薬剤師認定
- 英語での服薬指導が可能(患者様対応経験あり、TOEIC XXX点)
- PCスキル:電子薬歴(〇〇、△△)、レセプトコンピューター(□□)、Word(文書作成)、Excel(データ集計・グラフ作成)、PowerPoint(資料作成)
- 〇〇学会におけるポスター発表経験(XXXX年)
- 「〇〇に関する高度薬学管理研修」修了(XXXX年)
自己PRの書き方と例文
これまでの経験を通じて培ってきた強みや、仕事に対する姿勢、そして応募先でどのように貢献したいかという熱意を、あなた自身の言葉で具体的に伝えましょう。応募先の理念や方針、求める人物像をよく理解し、それに合致する形で記述することが重要です。
- 例文: 「患者様一人ひとりの立場に立った丁寧なコミュニケーションを常に心がけ、薬物治療の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えることを目指してまいりました。特に、これまでの在宅医療の経験で培った多職種連携のスキルは、貴院が推進されている地域包括ケアシステムにおいて即戦力として貢献できるものと確信しております。また、新しい知識や技術の習得にも意欲的であり、今後需要が高まる〇〇分野の専門性を高め、貴院の医療の質向上に貢献したいと考えております。」
職務経歴書テンプレート利用時の注意点
テンプレートは便利ですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。以下の点に注意しましょう。
- 丸写しはNG、自分の言葉で具体的に: テンプレートの例文をそのまま使うのではなく、必ず自分の経験に基づいた具体的なエピソードや言葉で表現しましょう。
- 応募先に合わせて内容を調整する: 企業や薬局・病院によって求める人物像は異なります。テンプレートをベースにしつつも、応募先の特色や方針に合わせてアピールポイントを調整することが不可欠です。
- 誤字脱字、表記の揺れをチェック: 作成後は必ず複数回見直し、誤字脱字や敬語の間違い、薬剤名やシステム名の表記揺れなどがないか徹底的に確認しましょう。
- 見やすさへの配慮: フォントの種類やサイズ、行間、箇条書きの活用など、採用担当者が読みやすいレイアウトを心がけましょう。A4用紙1~2枚程度にまとめるのが一般的です。
- 最新の情報に更新する: 資格取得や研修受講など、新しい情報があれば随時更新しましょう。
さらに魅力的な職務経歴書にするために
よりあなたの魅力が伝わる職務経歴書にするために、以下の点も検討してみましょう。
- 添え状(カバーレター)の活用: 職務経歴書だけでは伝えきれない熱意や、なぜその企業・薬局・病院で働きたいのかという具体的な志望動機を伝えるために、添え状を添付しましょう。
- ポートフォリオの準備(該当する場合): 研究実績や作成した資料、DI業務での成果物など、視覚的に実績を示せるものがあれば、ポートフォリオとして別途提出することも有効です。
- 転職エージェントの活用: 薬剤師専門の転職エージェントでは、職務経歴書の添削サービスやアドバイスを受けることができます。客観的な意見を取り入れることで、より完成度の高い書類を作成できるでしょう。
まとめ
薬剤師の職務経歴書作成において、テンプレートは非常に有効なツールです。しかし、それはあくまで出発点に過ぎません。テンプレートを賢く活用し、あなた自身の経験やスキル、そして熱意を込めたオリジナルの職務経歴書を作成することが、転職成功への第一歩となります。
この記事で紹介したテンプレートや書き方のポイントを参考に、自信を持ってあなたの魅力をアピールし、希望するキャリアを実現してください。