面接でうまく話せない…「言語化できない」を克服する薬剤師の準備術
転職活動の面接に臨んだ際、ご自身の強みやこれまでの経験について伝えたいことがあるにもかかわらず、うまく言葉にできない。緊張のあまり頭の中が真っ白になってしまう。こうした「言語化できない」という悩みは、多くの薬剤師の方が一度は経験するものではないでしょうか。これは決して能力の問題ではなく、適切な準備と練習によって十分に克服できる課題です。ここでは、面接で考えをうまく言葉にできない原因と、その具体的な対策について解説いたします。
なぜ面接で「言語化できない」状況に陥るのか
面接で言葉が出てこなくなってしまう背景には、いくつかの共通した原因が考えられます。最も大きな要因は、「自己分析の不足」です。ご自身の強みや経験、仕事に対する価値観が自分の中で明確になっていないため、いざ質問をされると言葉として紡ぎ出すことができません。また、伝えたいことが多すぎて話の要点がまとまっていない「思考の整理不足」や、「うまく話さなければならない」という過度な緊張とプレッシャーも、かえって思考を停止させてしまう原因となります。
思考を「見える化」する自己分析
言語化能力を高めるための第一歩は、ご自身の頭の中にある漠然とした考えを、まずは文字に起こして「見える化」することです。これまでの薬剤師としてのご経験、例えば調剤業務や服薬指導、在庫管理といった日々の業務の中で、どのような課題に対し、何を考え、どう行動し、どんな成果に繋がったのかを具体的に書き出してみましょう。その事実を基に、ご自身の得意なことや苦手なこと、仕事で大切にしている価値観などを言語化していきます。この作業を通じて、言葉の「材料」が揃い、話の土台が形成されます。
伝えたいことを構造化する練習
自己分析によって揃えた言葉の材料を、相手に分かりやすく伝えるためには、話の構成、すなわち「構造化」を意識することが重要です。ビジネスシーンで有効とされるPREP法(結論・理由・具体例・結論)などを参考に、話の「型」を作る練習をしてみましょう。例えば、「私の強みは〇〇です(結論)。なぜなら、△△という経験があるからです(理由)。具体的には…(具体例)。この強みを活かして、貴社に貢献したいと考えております(結論)。」という流れを意識するだけで、話が格段に論理的になり、言語化しやすくなります。
「話す」練習で自信をつける
思考を整理し、話の構成を組み立てたら、最後は実践的な「話す」練習が不可欠です。頭の中で考えるだけでなく、実際に声に出して話すことで、言葉遣いや話すスピード、間の取り方などを確認することができます。時間を計りながら練習すれば、簡潔に話す訓練にもなります。可能であれば、ご家族やご友人に面接官役をお願いし、聞いてもらうのも良いでしょう。他者に伝えることを意識することで、独りよがりな説明になっていないか、客観的な視点で改善点を見つけることができます。
客観的な視点を取り入れる専門家のサポート
自己分析や面接練習を一人で行うことには限界があります。「自分の考えている強みは、本当にアピールポイントになるのだろうか」「客観的に見て、自分の話し方はどう映っているのだろうか」。こうした不安を解消するためには、第三者の客観的な視点を取り入れることが極めて有効です。薬剤師の転職を専門とする転職エージェントでは、専門のコンサルタントがキャリアカウンセリングを通じて、ご自身の強みや価値観を言語化するお手伝いをいたします。また、模擬面接では、本番さながらの環境で話す練習ができるだけでなく、プロの視点から的確なフィードバックを受けることができます。第三者との対話は、最高の言語化トレーニングとなるでしょう。