薬剤師の転職、応募書類の宛名の正しい書き方|「採用担当」様?御中?
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、心を込めて作成した履歴書や職務経歴書。その応募書類を郵送する封筒の「宛名」は、採用担当者が最初に目にする、いわばあなたの第一印象を決定づける非常に重要な部分です。この宛名の書き方一つで、あなたの社会人としての常識や、仕事に対する丁寧な姿勢が伝わります。特に、「採用担当」としか記載がない場合、敬称を「様」とすべきか「御中」とすべきか、その正しいマナーに迷ってしまう方も少なくないでしょう。この記事では、採用担当者に好印象を与える、応募書類の宛名の正しい書き方について詳しく解説します。
宛名書きの基本:個人名が分かっている場合
まず、宛名書きの最も基本となるのが、応募先の担当者の部署名と氏名が明確に分かっている場合です。その際は、会社名、部署名、役職、そして氏名を正確に記載し、個人名の後には敬称として「様」を付けます。会社名は「(株)」などと略さず、「株式会社」と正式名称で書くのがマナーです。
部署宛てに送る場合:「御中」の使い方
採用担当者の個人名が分からず、部署名のみが分かっている場合は、部署名の後に敬称として「御中(おんちゅう)」を使用します。「御中」は、その組織や団体に所属する誰か、という意味合いで使われる敬称です。例えば、「人事部」宛てに送る場合は、「人事部 御中」と記載します。この際、「御中」と「様」を併用することはありませんので注意が必要です。
「採用担当」宛ての場合の正しい書き方
求人情報で最も多く見られるのが、「採用担当」や「採用担当者」宛てに送付を指示されるケースです。この場合、「採用担当」は個人名ではなく、役職や役割を指す言葉であるため、その扱いに迷う方が多くいらっしゃいます。
このような場合の最も丁寧で一般的な書き方は、「採用ご担当者様」です。例えば、部署名が分かっていれば「人事部 採用ご担当者様」、部署名が不明な場合でも「採用ご担当者様」と記載します。これは、「採用を担当されている方」という個人を指す表現になるため、敬称は「様」を用いるのが正解です。「採用担当 御中」という書き方は、「採用担当」という部署が存在するわけではないため、誤りとなります。
間違いやすい敬称の使い方と最終確認
宛名書きで最も重要なのは、敬称を正しく使い分けることです。「御中」は組織や部署に、「様」は個人に対して使う、という基本ルールを覚えておきましょう。そして、この二つを同時に使うことはありません。
応募書類を投函する前には、会社名や住所に間違いがないか、そして宛名の敬称が正しく使えているかを、必ず最後にもう一度確認する習慣をつけましょう。特に、ミリグラム単位での正確性が求められる薬剤師という職業においては、応募書類の細部にまで気を配るその丁寧な姿勢が、あなたの仕事への信頼性を伝える第一歩となるのです。