薬剤師の転職面接：「面接官が複数」いる時のマナーと注意点

なぜ面接官は複数いるのか

薬剤師の転職活動における面接、特に二次面接や最終面接では、応募者1名に対して、面接官が2名や3名といった「複数」であるケースが一般的です。これは、人事担当者、現場の管理薬剤師、そして薬局や病院の経営層など、異なる立場の人がそれぞれの視点から、応募者の専門知識、実務能力、そして人柄や組織との適合性を多角的に評価するために行われます。複数の面接官から同時に注目されるため、独特の緊張感がありますが、適切なマナーを心得ておけば心配ありません。

入室時の挨拶とお辞儀のマナー

面接室に入室した際、面接官が複数名いる場合でも、基本的な入退室のマナーは変わりません。ドアをノックし、入室の許可を得たら「失礼いたします」と挨拶して入室します。椅子の横まで進み、面接官の方に向き直ったら、「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶し、丁寧にお辞儀をします。この時、お辞儀や挨拶は、中央の席（一般的に最も役職が上の方）の面接官に向かって行うことを基本としますが、他の面接官にも軽く視線を配る意識を持つと、より丁寧な印象を与えられます。

面接中の視線の配り方

面接官が複数いる場合、最も迷うのが「誰を見て話すか」という視線のマナーです。基本のルールは、「質問をしてくれた面接官」の目（あるいは鼻や眉間のあたり）をしっかりと見て、その人に向かって回答することです。これが、対話のキャッチボールの基本となります。

ただし、一つの回答を終始その人だけを見て話していると、他の面接官は疎外感を覚えてしまう可能性があります。そのため、回答の途中や、結論を述べた最後には、他の面接官にもゆっくりと視線を配るようにしましょう。これにより、「あなた方全員とコミュニケーションを取ろうとしています」という積極的な姿勢や、協調性を示すことができます。

名刺交換を求められた場合のマナー（中途採用）

薬剤師の中途採用面接、特に経営層との面接では、名刺交換を求められるケースも稀にあります。もし複数の面接官から同時に名刺を差し出された場合は、慌てる必要はありません。ビジネスマナーとして、役職が最も上の方から順番に頂戴するのが基本です。「頂戴いたします」と一言添え、両手で受け取り、軽く一礼します。いただいた名刺は、すぐにしまわず、ご自身の席の机の上（左側）に、面接官の席順に合わせて並べて置きます。

退室時の挨拶とお辞儀のマナー

面接が終了し、退室を促された際も、複数の面接官への配慮が必要です。まずは座ったまま「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べ、一礼します。立ち上がって椅子の横に移動したら、改めて面接官全員の方に向き直り、「失礼いたします」と述べ、最も丁寧なお辞儀（最敬礼）をします。この時も、中央の席の面接官を中心にしつつ、全員に対して感謝の気持ちを込める意識が大切です。

複数の面接官への対応に不安がある場合は

このように、面接官が複数いる場合は、個人面接とは異なる視線の配り方や配慮が求められます。特に緊張する場面では、どこを見ればよいか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。もし、こうした複数の面接官を想定した面接の進め方やマナーに少しでも不安を感じるようであれば、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、模擬面接などを通じて、あなたの立ち居振る舞いを客観的にチェックし、自信を持って本番に臨めるようサポートします。万全の準備のために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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