集団面接(グループ面接)の「入退室」マナー。個人面接との違いと「協調性」が伝わる所作とは
薬剤師の転職活動において、面接形式は個人面接だけとは限りません。応募先の企業や病院によっては、複数の応募者が同時に面接を受ける「集団面接(グループ面接)」が行われることがあります。
この集団面接で、皆様の受け答えと同じくらい、あるいはそれ以上に面接官が注目しているのが、「入室から退室まで」の一連の振る舞いです。個人面接とは異なり、他の応募者がいる手前、どのように行動すればよいか、特に「入退室」の作法に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、集団面接(グループ面接)における「入退室」のマナーと、薬剤師として求められる「協調性」や「配慮」が伝わる正しい所作について、詳しく解説いたします。
個人面接とグループ面接、入退室の「決定的な違い」とは
個人面接のマナーは「面接官とご自身」の一対一の関係で完結します。しかし、グループ面接の入退室では、面接官に加えて「他の応募者」への配慮が同時に求められます。
面接官は、この入退室の一連の流れの中で、皆様の「協調性」や「周囲への気配り」を厳しく見ています。薬剤師の業務が、医師や看護師、他の薬剤師とのチーム連携(チーム医療)によって成り立つ以上、この協調性は薬剤師の必須の資質と見なされるからです。
ご自身の順番や役割を瞬時に理解し、流れを止めず、かつ周囲に配慮した行動が取れるかどうかが、最初の評価ポイントとなります。
【入室編】グループ面接の入室、順番別の役割
集団面接の入室は、多くの場合、担当者の案内に従って、応募者が一列になって入室します。ご自身が「何番目」に入室するかによって、担うべき役割が異なります。
先頭(1番目)の場合の作法
先頭で入室する場合、皆様はグループの「代表者」としての役割を担います。
まず、ドアを3回ノックします。案内担当者がすでにドアを開けている場合は、ノックは不要です。面接室の担当者(面接官)から「どうぞ」という声が聞こえたら、「失礼いたします」と室内に聞こえる声でハキリと述べ、一礼してから入室します。
入室後は、後続の応募者が入りやすいよう、ドアを開けたまま保持し、全員が入室するのを見届ける「配慮」が求められる場合があります。ただし、案内担当者がドアを保持する場合は、その指示に従い、速やかにご自身の椅子の前まで進みます。
真ん中(2番目など)の場合の作法
真ん中の順番で入室する場合は、「流れを止めない」ことが最も重要です。
前の人に続き、面接官の方に視線を向け、「失礼いたします」と挨拶(あるいは会釈)をしながら、スムーズに入室します。前の人との間隔が空きすぎたり、逆に詰まりすぎたりしないよう、適切な距離感を保ちながら、ご自身の椅子の前まで速やかに移動します。
最後(3番目など)の場合の作法
最後に入室する方は、グループの「締め」の役割を担います。
前の人に続いて入室し、「失礼いたします」と挨拶(または会釈)をします。全員が入室したことを確認したら、皆様がドアを閉めることになります。この時、面接官に完全に背中を向けないよう、ドアの方に少し斜めに向き直ります。そして、「バタン!」と音が立たないよう、ドアノブを持った手で、静かに、丁寧にドアを閉めます(いわゆる「後ろ手」で閉めるのは厳禁です)。
全員が揃ってからの挨拶と着席
全員が入室し、それぞれの椅子の横(または指定された位置)に立ったら、その場で面接官の指示を待ちます。ご自身の判断で挨拶を始めたり、着席したりしてはいけません。
面接官から「どうぞ、おかけください」と着席を促されたら、全員で「失礼いたします」と声を揃えるか、あるいは個々に会釈をし、タイミングを合わせて静かに着席します。この「周りと合わせる」という意識が非常に重要です。
【退室編】グループ面接の退室、最後の印象
面接が終了し、退室する際も、入室時と同様に「協調性」が問われます。
面接終了の挨拶と起立
面接官から「本日はこれで終了です」といった言葉があったら、まずは座ったままの姿勢で、全員で「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました」とお礼を述べます。誰かが言い出すのを待つのではなく、自然に声を揃えられるのが理想です。
その後、荷物をまとめ、立ち上がります。椅子の横に立ち、面接官の方をしっかりと見て、改めて「ありがとうございました」と深く一礼します。
退室の順番と役割
退室は、多くの場合、入室時とは逆に「ドアに一番近い人」(つまり、最後に入室した人)から順番に退室するよう指示されますが、これも必ず面接官や案内役の指示に従ってください。
先頭(1番目)で退室する場合
ドアに一番近い方が、先頭で退室します。ドアの前で、もう一度、面接官の方に向き直り、「失礼いたします」と一礼してから、ドアを開けて退室します。この時、後続の人が退室しやすいよう、ドアを開けたまま保持する配慮ができると、さらに良い印象を与えます。
真ん中(2番目など)で退室する場合
前の人に続き、「失礼いたします」と会釈をしながら、スムーズに退室します。
最後(3番目など)で退室する場合
皆様が最後になります。全員が退室したことを確認し、面接官に再度「失礼いたします」と一礼してから、室外に出ます。そして、入室時と同様に、面接室側に静かに、丁寧にドアを閉めます。
グループ面接の不安、転職エージェントがサポートします
集団面接(グループ面接)の入退室マナーは、当日の順番や他の応募者の動きによっても対応が変わるため、事前に一人で練習するのが非常に難しいものです。
「自分が先頭になったらどうしよう」「ドアを閉めるタイミングは…」といった細かな不安は、面接本番での焦りにつながり、皆様の本来の良さが伝わらなくなる原因にもなりかねません。
私たち転職エージェントは、皆様の薬剤師としてのキャリアプランに最適な求人をご紹介するだけでなく、応募先が「グループ面接」を行う傾向があるか、といった過去の選考情報に基づいた具体的なアドバイスも可能です。
また、「模擬面接」の場では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「入退室のマナー」や「協調性」が伝わる所作についても、客観的な視点で確認し、サポートさせていただくことができます。
ご自身のマナーに自信が持てれば、面接本番でも余計な緊張をすることなく、本来の力を存分に発揮することができます。集団面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







