【薬剤師の転職】面接の手順を徹底解説|受付から退室までの完全マニュアル
転職活動における面接は、面接官との質疑応答の内容だけでなく、会場に到着してから建物を退出するまでの、応募者の一つひとつの行動、すなわち「手順」の全てが評価の対象となる、総合的なコミュニケーションの場です。定められた手順を、滞りなく、かつ丁寧に行えるかどうかは、あなたの社会人としての成熟度や、仕事に対する真摯な姿勢を示すことに繋がります。「次は何をすれば良いのだろう」という当日の不安を解消し、自信を持って面接に臨むために、この記事では、面接の開始から終了までの一連の手順を、時系列に沿って分かりやすく解説していきます。
手順1:訪問前の最終準備
面接当日は、ご自宅を出る前の最終準備から始まります。まずは、応募書類や筆記用具、企業の連絡先を記したメモ、清潔なハンカチなど、必要な持ち物が全てカバンに入っているかを確認しましょう。次に、鏡の前で身だしなみの最終チェックです。スーツにシワや汚れはないか、靴はきれいに磨かれているか、髪型は乱れていないか、顔に疲れは出ていないかなど、細部まで確認します。そして、面接会場までのルートと所要時間を再度確認し、交通機関の遅延なども考慮に入れた上で、時間に十分な余裕を持って出発してください。
手順2:受付から待機までの手順
企業の最寄り駅には、約束の時刻の30分前には到着しておくと安心です。近くのカフェなどで気持ちを落ち着け、15分前になったら企業の建物へ向かいましょう。コートなどの上着は、建物の外であらかじめ脱いでおくのがマナーです。そして、約束の時刻の10分前から5分前を目安に、受付へ向かいます。受付では、明るくはきはきとした声で挨拶をし、ご自身の氏名、面接の約束がある旨、そして約束の時刻を明確に伝え、担当者への取り次ぎをお願いします。待合室へ案内されたら、指示された席(特に指示がなければ入口に近い下座)に、背筋を伸ばして座ります。スマートフォンなどを操作することはせず、静かにご自身の番を待ちましょう。
手順3:第一印象を決める入室の手順
いよいよご自身の名前が呼ばれ、面接室へ入室します。まず、ドアを3回ゆっくりとノックします。中から「どうぞ」という声が聞こえたら、「失礼いたします」と一声かけてから、静かにドアを開けて入室します。面接官の方へ向き直り、明るい表情で一礼した後、ドアの方へ振り返り、音を立てずにドアを閉めます。そして、椅子の横(入口に近い下座側)まで進み、面接官の方に改めて向き直り、「〇〇(氏名)と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶し、丁寧に深く一礼します。
手順4:面接中の基本手順と姿勢
挨拶を終えても、自分から勝手に椅子に座ってはいけません。必ず、面接官から「どうぞ、お掛けください」と勧められるのを待ちます。着席を促されたら、「失礼いたします」と軽く会釈をしてから、静かに腰を下ろしましょう。手荷物のカバンは、ご自身の椅子の横の床に、倒れないようにきちんと置きます。面接中は、背筋をまっすぐに伸ばし、椅子の背もたれには寄りかからないようにします。面接官の目を見て、はきはきとした聞き取りやすい声で話し、相手が話している際は、適切な相槌や頷きを交えながら、真摯な傾聴の姿勢を示しましょう。
手順5:最後の印象を締めくくる退室の手順
面接官から終了の合図があったら、まずは座ったままの姿勢で、「本日は、貴重な面接の機会をいただき、誠にありがとうございました」と、はっきりと感謝の言葉を伝えます。その後、静かに立ち上がり、椅子の横で改めて「ありがとうございました」と述べ、最も丁寧なお辞儀をします。ドアの前まで進んだら、すぐに部屋を出るのではなく、もう一度面接官の方へ向き直り、「失礼いたします」と挨拶して、最後にもう一度お辞儀をしてから、静かに退室します。ドアを閉める際も、音を立てないよう、最後まで気を配りましょう。
手順の遵守が薬剤師としての信頼に繋がる
定められた手順を、一つひとつ正確に、かつ丁寧に行う能力は、調剤や鑑査といった、日々のプロセスの一つひとつが患者様の安全に直結する、薬剤師の業務において、最も基本となる重要な資質です。面接における一連の手順をスムーズにこなすことは、あなたがルールを遵守し、丁寧で信頼できる仕事をする人物であることの、何よりの証明となります。これらの手順は、頭で覚えるだけでなく、身体が自然に動くようになるまで、繰り返し練習することが不可欠です。もし、ご自身の立ち居振る舞いに少しでも不安があれば、転職の専門家であるキャリアアドバイザーにご相談ください。模擬面接などを通じて、あなたの動作を客観的に評価し、改善のための具体的なアドバイスを提供いたします。