薬剤師の履歴書、「入社」「退社」の正しい書き方を解説
薬剤師の転職活動において、あなたのこれまでのキャリアを客観的に証明する履歴書の「職歴」欄。この欄を記入する際、「入社」や「退社」といった言葉の使い方や、勤務先の組織形態に応じた適切な表現について、迷った経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。職歴欄の正確な記述は、あなたの社会人としての基本マナーを示す上で非常に重要です。この記事では、採用担当者に丁寧で信頼できる印象を与えるための、「入社」と「退社」の正しい書き方について詳しく解説します。
職歴欄の基本ルール:正確性と統一性
職歴を書き始める前に、まずは全体の体裁を整えるための基本的なルールを確認しましょう。勤務先の会社名や法人名は、「(株)」や「(医)」などと略さず、「株式会社」「医療法人社団」といった正式名称で正確に記入してください。経歴は古いものから順に時系列で記載し、履歴書全体で日付の表記は「西暦」か「和暦」のどちらかに必ず統一することが重要です。これらの基本を守るだけで、丁寧で信頼できる人物であるという印象を与えることができます。
「入社」と「入職」の適切な使い分け
会社や法人に勤務を開始したことを示す言葉として、一般的には「入社」が広く使われます。応募先が株式会社の調剤薬局チェーンや製薬企業である場合は、「株式会社〇〇 入社」と記載するのが正しい書き方です。
一方で、薬剤師の勤務先として多い病院やクリニックといった医療法人、あるいは介護老人保健施設などの場合は、「入社」よりも「入職(にゅうしょく)」という言葉を用いる方が、より適切で丁寧な表現とされています。公務員として公立病院などで勤務した場合は、「奉職(ほうしょく)」という言葉が使われることもあります。応募先の組織形態に合わせて言葉を使い分けることで、あなたの配慮の深さを示すことができますが、迷った場合は、より一般的な「入社」を使用しても大きな間違いにはなりません。
「退社」と「退職」はどちらを使うべきか
勤務先を辞めたことを示す言葉として、「退社」と「退職」があります。日常会話では同じように使われがちですが、ビジネス文書である履歴書においては、明確に使い分けるのが望ましいです。
「退社」という言葉には、「会社を辞める」という意味の他に、「その日の勤務を終えて会社から帰る」という意味もあります。一方、「退職」という言葉が持つ意味は、「職を辞める」という一つだけです。このように、履歴書では複数の意味に解釈される可能性のある「退社」よりも、意味が一つに定まる「退職」を用いるのが、最も正確で誤解のない表現とされています。したがって、履歴書の職歴欄では「退職」で統一するのが最も確実で丁寧な書き方です。
在職中・退職予定の場合のスマートな書き方
現在も勤務を続けている場合は、最後の職歴の行に「退職」とは書かず、「現在に至る」と記載します。そして、職歴欄全体の締めくくりとして、さらにその一行下の右端に「以上」と書きます。
すでに退職の意思を伝えており、最終出社日や退職日が確定している場合は、「現在に至る」と書いた上で、その次の行に「(令和〇年〇月〇日 退職予定)」と書き添えておくと、採用担当者があなたの入社可能時期を具体的に把握できるため、より親切な記述となります。